今月のおもちゃ
Toys of this month
2009年4月
「花籠」
この直径12cmほど(後列左端)の小さな手提げ籠は、かつて春のこの季節に花籠と呼ばれ、子どもたちが野遊びに行くときに持って行った子ども用の籠でした。
当館が開館した昭和49年頃には、春先になると、この花籠を自転車の荷台いっぱいに積んで売り歩く、行商人の姿があり、風物詩のひとつでした。子どもたちは買ってもらった花籠にアラレやお菓子を入れ、野原や田んぼに野遊びに出かけたのです。
後列左側の花籠は当館から北東約20kmほどの西脇市水尾という農村で作られましたが、明治42年生まれの作者が亡くなると後継者もなく、姿を消しました。
子どもたちが野遊びに使う小さな籠は全国各地にあります。当館は滋賀県水口、兵庫県西脇、香川県観音寺、福岡県柳川などで作られた花籠を所蔵しています。なかでも水口は麦藁、観音寺のは経木が使われ、編み方や形、色あいなどに特色があります。
この資料は、2号館の草花遊びのコーナーに常設展示しています。