「百連発ピストル」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2006年7月

「百連発ピストル」

  • 昭和20~30年代
  • 日本/ブリキ

 昭和20~30年代男の子に人気があった連発式のブリキ製ピストルです。細いテープ状の赤紙に丸い火薬が付いた径約2cmの巻玉をピストルに装着して引き金を引くと、自動的に火薬が送られ、小さなハンマーが一発ずつ火薬をうち「パン」と炸裂音が響きます。男の子はこの小さなピストルを手に握りしめ、西部劇の真似事をして「パンパン」撃ちならしながら路地裏を走り回って遊びました。

 このピストルは意外と古い歴史を持ち、大正時代に大阪の玩具業者がドイツ製品をモデルに作ったのです。国内だけでなく海外にも盛んに輸出されましたが、戦火が激しくなると製造は中止になりました。戦争が終決し、昭和23年に紙火薬の製造販売が許可されると再び百連発ピストルの製造が始まりました。子供たちに受け入れられてブームが到来、特に昭和30年代は西部劇ブームの影響で売れ行きが急増し最盛期には百連発ピストルの製造業者が35軒もあったと記され、大阪製玩具の代表的商品でした。

 昭和36年に玉が飛び出す銀玉ピストルが生産されると、それに子供たちの人気が移り、百連発ピストルは急速に姿を消しました。
 

 この作品は現在開催中の「おもちゃで綴る昭和」で紹介しています。