「神戸人形の西瓜喰い」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2012年8月

「神戸人形の西瓜喰い」

  • 明治末期/昭和初期/昭和40年代
  • 兵庫県神戸市/木・象牙・牛骨など

 現在、当館1号館で開催中の企画展「幻の神戸人形」では、様々な題材の神戸人形を展示していますが、創始者とされる野口百鬼堂をはじめ歴代の作者が作ってきたのが西瓜を食べる動作をする人形です。両手で持った西瓜を大きく開けた口に運ぶ動作をするもの、左手に包丁を持って西瓜を切り、右手には西瓜を持って口に運ぶ動作を交互にするもの、さらには台の上に2体の人形が載って、右の人形はスイカを切り、左の人形は両手で持ったスイカを食べる動作をするものなどです。2代目の出崎房松、3代目の小田太四郎、それに4代目の数岡雅敦も西瓜喰いの神戸人形を作っています。

 もともと西瓜はアフリカが原産地で日本には室町時代以降に中国から伝わり、西瓜という漢字も中国語に由来します。なぜ神戸人形に西瓜喰いが連綿として作られてきたのか。大きな口を開けて大きな西瓜を食べる、その動作の面白さが時代を超えて人気があったからではないでしょうか。

 これらの「西瓜喰い」は、現在開催中の夏の企画展「幻の神戸人形展」でご紹介しています。