今月のおもちゃ
Toys of this month
2007年1月
「貝のバイ<ベーゴマ>と博多独楽」
独楽は男の子の正月の遊び道具として昔から親しまれてきましたが、独楽はわが国だけでなく、広く世界中で子供たちに遊ばれています。独楽は遠い昔に人々が、高い木の枝から落ちた木の実がクルクル回る動きにヒントを得て、世界の各地で人々が考え出したのではないかと推測されます。
日本の独楽は平安時代以前に中国から朝鮮半島を経て伝わったとされていますが、大きな発展を遂げたのは泰平の世が続いた江戸時代です。独楽は、叩き独楽、紐巻き独楽、ひねり独楽など、さまざまな回し方があります。紐を胴に巻いて回す紐巻きゴマも、形に地域性があり、東北地方には雪の上で回しても埋らないずぐり独楽、九州地方にはらっきょう形の独楽、関西や関東などでは江戸時代に流行した博多独楽の流れを汲む平ゴマが一般的です。独楽の形は地域性だけでなく、時代の変化もあります。独楽は遊ばれたためか、江戸や明治期などの古いものは現存するものが大変少ないのです。幸い当館では古い時代の独楽を何点か所蔵しており、この度の企画展「独楽と羽子板」でもそれらを展示する他、地域的に系統立てた展示をしています。日本の独楽の多様さや面白さをを知っていただける良い機会です。