日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2005年12月

「サントン人形のクレーシュ(キリスト降誕人形)」

  • 1980年代
  • フランス・プロヴァンス地方/土

 日本ではあまり馴染みがありませんが、降誕人形は世界の多くの国でクリスマスを代表するオーナメントとして知られています。赤ん坊のイエス、マリア、ヨゼフ、東方の三博士などによってイエス=キリストの降誕場面を再現するもので、ヨーロッパでは国ごとに呼び名があります。フランスでは降誕人形のことをクレーシュと呼んでいます。このクレーシュ、中には等身大のものもあり、クリスマスミサに教会に集まった人々は、クレーシュを囲んでキリスト降誕を祝います。

 その昔、フランス革命の時には教会が閉鎖されてしまい、クリスマスにクレーシュを見ることが出来なくなったそうです。そこでプロヴァンス地方の人々は、自分たちの手でクレーシュを作成しました。土で小さな人形を作り、直接絵付けが行われましたが、これがサントン人形の始まりです。ちなみに「サントン」とは「小さな聖人」を意味します。

 サントン人形はプロヴァンス地方の郷土人形として、現在ではクレーシュだけでなく、プロヴァンスの生活の様子を表わすようなものもあります。高さは、小屋:約13cm、マリア:約5cm。6号館で開催中の特別展「世界のクリスマス物語」でご紹介しています。