「パン細工のオーナメント」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2005年11月

「パン細工のオーナメント」

  • 1990年代
  • チェコ/小麦粉・塩

 現在開催中の特別展「世界のクリスマス物語」では、世界各国のクリスマス飾りを紹介していますが東欧のコーナーでは、チェコで作られるパン細工のオーナメントが来館者の注目を集めています。

 これは、ソルト・ドゥ(Salt dough)と呼ばれるパン生地を焼いたもので、太陽、天使、鳥、ザリガニ、蛙、魚、孔雀などをかたどった径5~6cm前後のツリー飾りです。小麦粉と塩を1対1の割合で練り合わせた生地で焼かれるので、腐りにくく長もちします。かつて、このようなパン細工のオーナメントは、春まで飾られた後、収穫への願いを込め、粉にして畑にまかれていたといいます。パンが主食であるヨーロッパの国々のクリスマス飾りには、パンやビスケット、クッキー、あるいは麦わらを使ったものが数多く見られます。収穫を感謝し、来る年の豊作を願う心がクリスマスの底流に流れているからなのでしょう。

 ちなみにチェコのクリスマスには鯉の料理が好まれます。細工を凝らしたパンの魚は、鯉を表わしたものかもしれません。