「マロース爺さんと雪娘」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2013年11月

「マロース爺さんと雪娘」

  • 2010年代
  • ロシア/木

 ロシアのクリスマスでは「マロース爺さん(ジェッド・マロース)」と呼ばれる人物がサンタクロースに代わって登場します。マロース爺さんのそばには「雪娘(スニェグローチカ)」が付き添ってクリスマスシーズンに幼稚園や家々を回り、子供たちにクリスマスプレゼントを配ります。マロース爺さんも雪娘も、本来はロシアを代表する別々の物語の登場人物でしたが、ロシア革命後のソビエト時代にサンタクロースのように子供たちを楽しませてくれる存在が望まれ、この二人が選ばれました。
 現在のロシアでは12月25日から1月7日のロシア正教の降誕祭までをクリスマスとして祝います。12月の下旬から徐々に街には飾りつけがなされ、大晦日頃には明かりや飾りのついたもみの木が立ち並びます。ロシアのクリスマスは新年を祝う意味合いも大きく、大晦日には家族一同が新年を迎えるために集まって同じ時を過ごし、テーブルに並んだ豪華な料理を囲んで盛大に祝います。そして子供たちのためにもみの木の下にプレゼントが置かれのですが、その配達役がマロース爺さんと雪娘なのです。
 クリスマス時期にはこの二人をモチーフにした入れ子人形(マトリョーシカ)が数多く作られます。マトリョーシカはもともと女性をかたどった人形ですが、近年は様々なモチーフで作られたマトリョーシカを目にすることが出来ます。細かい絵付けや鮮やかな色合いが、ロシアでのクリスマスの華やかさを物語っています。