日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2013年12月

「ベルギーレースのオーナメント」

  • 2012年
  • ベルギー/木綿糸

ベルギーの伝統工芸として有名な、“ボビンレース”と呼ばれる技法で作られたクリスマスオーナメントです。ボビンレースとは16世紀にフランドル地方でのレース産業を支えたレース編みで、ボビン(糸巻き)を左右に交差させ、織り台にピンで留めて固定しながら編んでいきます。レースの模様も実に複雑で様々。多くの人々の心を掴んで離さないその精巧繊細なレース編みの技法は、今もなお本場ベルギーに息づいています。
 レースは高い職人技術と膨大な製作時間がかかることから、当時のヨーロッパでは貴族などの身分の高い人々のためのものであり富の象徴でした。大衆化された今では、ベルギーには市街で多くのレース専門店を見ることができますし、もっと身近に、現代風に多様化されたものも見受けられます。このようなオーナメントもその一つです。
 クリスマス時期のヨーロッパでは、都市の広場でクリスマスマーケットが開催されます。ベルギーでも一番大きなクリスマスマーケットは首都ブリュッセルで開かれ、そこではこういったボビンレースのオーナメントも見ることが出来るでしょう。
 このオーナメントは去年の冬にブリュッセルで収集したものです。幼子を抱くマリアや、サンタクロース、ツリーなど、クリスマス定番のモチーフを繊細に表現しています。6号館の「世界のクリスマス展」でご紹介しています。