日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2010年1月

「出雲張子・首振りの虎」

  • 昭和30年代
  • 島根県出雲市/紙(張子製)

 縁結びで有名な出雲大社の門前町の一角で作られてきた首振りの虎。出雲地方では子供が災厄からのがれ、健やかに成長することを願って、節句の祝い物に張り子の虎を贈る風習がありました。厳めしい表情と勢いよく立った尾に力強く踏ん張った四脚、その勇壮で風格のある姿は、全国の虎玩具の中でも屈指のものとされています。

 この虎は明治26年のシカゴ万国博覧会や同33年のパリ万国博覧会で入賞した松江出身の彫刻家荒川亀斎(1827~1906)が作った原型を元に、明治初期から首振りの虎として作られたと伝わり、昭和37年の寅年に年賀切手のデザインに採用されたことから脚光を浴びました。残念なのは昨年、作者の6代目の高橋孝市さんと7代目の壮四郎さんの両名が相次いで他界されたことです。そして、その継承が大きな課題になっています。
 この作品は現在開催中の「日本一の虎玩具展」で展示中です。