「鉄芯の鉄胴独楽」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2020年1月

「鉄芯の鉄胴独楽」

  • 平成10年代
  • 兵庫県加西市(タミワ玩具製)/木・金属

木製の胴に細い鉄の芯棒が通り、胴に鉄輪がはまった独楽は、胴に紐を巻き、投げて回して遊ぶ独楽です。近年まで正月の遊び道具として親しまれてきました。
この独楽は今から300年ほど前の江戸時代元禄の頃に九州博多で考案され、回転時間が長いことやいろいろな曲芸遊びもできることから人気があり、広く全国各地で遊ばれるようになりました。各地の独楽の製造業者の手で作られ、近年まで駄菓子屋や玩具店などで売られてきました。
以前は四国今治、姫路、大阪などに製造業者があり、全国の玩具問屋に卸されていました。近年、その業者が次々に廃業され、唯一残っていた製造業者のタミワ玩具(兵庫県加西市)が昨年5月に廃業になり、残念ながらおもちゃ屋の店頭から姿を消しました。
この鉄芯が通り、鉄輪がはまった独楽は、世界でも類のない性能の良い日本が誇れる優れた独楽でした。作り手が無くなったのは本当に残念です。

(館長・井上重義)