「和製ビスクドール」 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

Language

今月のおもちゃ

Toys of this month
2017年4月

「和製ビスクドール」

  • 大正末~昭和10年代
  • 日本/磁器・練物・布

 頭部は磁器製で、胴体は桐塑(桐の木粉と生麸糊を混ぜ合わせて作られる粘土)の胡粉仕上げとなっており、まるで市松人形とビスクドールの中間のような作りの人形です。西洋のビスクドールの影響を受け、第一次世界大戦(1914~18)後にこのような人形が日本でも作られ、またアメリカへ輸出もされていました。一般には「さくらビスク」や、「ママー人形」(寝かせたときに鳴る音が「ママー」と聞こえるため)の名称で親しまれていました。

 胴体部分には金属製の鳴子や木製のふいご式の鳴子が入っているものが多く、この仕掛けによって横に寝かせると音が鳴ります。また1920年代(大正末期)になると、西洋の赤ん坊人形を真似て、寝かせると目をつぶるものが作られました。

 大きなつばの帽子を被り、サテンや縮緬の洋装、そして特徴的な真っ白な肌にほお紅をさした和製ビスクには、当時の少女が人形へ抱いた可愛らしさへの憧れや、西洋文化への憧れが込められているようです。
 現在1号館で開催中の春の企画展「なつかしの人形 ~昭和時代の人形遊び~」にて展示中です。