「世界のけん玉」その2 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2018年10月

「世界のけん玉」その2

  • 1980年代
  • アラスカ・ハワイ/カリブーの骨・ヤシの葉

けん玉の素材

 一般的には木製が多いけん玉ですが、アメリカのアラスカ州やカナダ北西部、グリーンランドに暮らす北方民族に伝わるけん玉は、カリブーやアザラシの骨と流木から作られています。骨にはいくつかの穴があいていているものもあり、狩猟場に見立てて、剣がささったところを狩猟場にする占いや狩猟の成功を祈る儀式に使われていました。けん玉の祖先は、もしかすると玩具ではなく、占いや儀礼の道具だったのかもしれません。

 また、ハワイの “パライエ” はココナツの葉で作られた球を輪に受け止めます。16本の葉脈を編んで作られた四角の球は古くから伝わるかたちですが、現在は巾着形の球になっています。糸が持ち手の下のほうについているのも特徴です。くヤシの葉のようにボールが軽い素材であったり、骨や球体ではない形態のものは、空中でのコントロールがより難しくなります。手遊びや素朴な玩具はいつもその地に暮らす人々にとって身近な素材で作られてきました。 世界のけん玉は1号館で開催中の「世界の伝承玩具~こま・凧・けん玉・ヤジロベエ・風車・ボール」でご紹介しています。