<新収蔵品紹介>「リカちゃん」&「ジェニー」 | 日本玩具博物館

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学芸室から 2008.05.03

<新収蔵品紹介>「リカちゃん」&「ジェニー」

🌸去る3月、手工芸専門の出版社日本ヴォーグ社を通じ、株式会社タカラ(現在、株式会社タカラトミー)が制作したリカちゃん(Licca-chan)とジェニー(JeNnY)を中心とする着せ替え用キャラクタードール約500点とその資料約150点の寄贈を受けました。一方、日本ヴォーグ社は、リカちゃんやジェニーという、玩具メーカーのいわゆるマスプロダクトな人形のための着せ替え服や小物の作り方を提案するシリーズものの雑誌を刊行して、長きにわたり少女たちからの支持を受け続けてきました。その過程で、同社は人形や着せ替え服などを多数所蔵しておられたわけです。
🌸当館は、日本ヴォーグ社よりちりめん細工を紹介する書籍(『四季の傘飾りと雛飾り』を発刊しており、現在も新刊を準備中ですが、そのご縁によって、今回の寄贈をお受けすることとなりました。

🌸ご存知のようにリカちゃんは、1967(昭和42)年の誕生以来、3回(4回)にわたる小さなモデルチェンジを繰り返しつつ、40年以上の長きにわたって少女たちに愛され続けてきた人形。リカちゃんの年齢設定は小学5年生で、低年齢層(3~6歳ぐらい)の女児を対象としているため、家族や友人たちの人形も数多くを揃えて、ごっこ遊びが展開できる内容をもっています。
🌸一方、ジェニーは1986(昭和61)年にタカラバービーから改名して誕生したキャラクタードールで、リカちゃんよりも少し高い年齢層を対象に作られています。基本的なジェニーの設定年齢は17歳ですが、同じジェニーでありながら、様々なバリエーションと限定商品などを持っています。ごっこ遊びを重視する「リカちゃん」に対して、「ジェニー」では豊かなファッション性が強調され、友人たちとのおしゃれな暮らしをテーマにした周辺世界が形づくられています。日本ヴォーグ社という出版社とのコラボレーション、ファッションブランドとのタイアップなどを通じて、少女だけではなく、大人のファンやコレクターが多いことも特徴的でしょうか。

様々な年代、タイプのボディーと衣装を組み合わせながら整理を進めました

🌸今回、寄贈を受けた人形の製作年代は、主に1985年から現在まで。ヴォーグ社の石坂文子さんの丁寧な解説メモを参考にしながら、1週間かけて「リカちゃん」と「ジェニー」、その他の人形、それらを説明する資料、書籍にわけて整理を行い、大方のリストが出来上がりました。

🌸リカちゃんは3代目、4代目、5代目(1992年製)などの基本的な人形に、幼児、中学生、25歳などの年齢バリエーション、25周年記念のビスク・ドールや初代リカちゃんトリオの復刻版、ボディーが自由にうごくダンシングリカチャンシリーズ、リカちゃんアルバムシリーズなどがあり、ママやパパ、おばあちゃん、双子の妹などの家族、いづみちゃんやあきちゃん、リボンちゃん、みいちゃん、もえちゃん、ななみちゃんなどの友人たち、またそれらの着せ替え服や小物、家具を合わせて、今回約200点です。


🌸一方、ジェニーは、バリエーションでみると、ノーマルジェニー、エクセリーナ、エイティーンジェニー、プリンセスジェニー、1991年フェイス、レインボージェニー、エンジェルズガーデンジェニー、フォトジェニックジェニーなどほとんどのタイプを網羅し、エリカ、エリー、アヤ、アベル、キサラ、オリーブ、ジェーン、シオン、たまき、ティモテ、フランソワ、リサ、リナ、マリーン、ジェフ、タクミ、レイフなど、賑やかに友人たちが揃っています。また、これらに着せ替える衣装と小物類が非常に多く、すべてを合わせると、300点をこえる資料群です。


🌸日本玩具博物館は、すでに1970年代のリカちゃんとその周辺資料を少なからず所蔵しており、少女のごっこ遊びの友として、また昭和の玩具史に欠かせない資料としてこれまでにも折に触れて展示してまいりましたが、今回寄贈いただいた人形資料たちについては、さらに整理した後、これらをどのようにとらえ、私たちのコレクションの中にどのように位置づけていくかが課題です。まずは、来春、3月から6月にかけて、リカちゃん&ジェニーの世界を紹介する企画展を催してみたいと考えていますので、どうぞご期待下さい。詳しい日程や内容が決まり次第、このサイトでもご案内させていただきます。

(学芸員・尾崎織女)

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