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blog日本玩具博物館の魅力を発信!~当館で「地域実習」を終えた学生たちからのメッセージ・その1~
●去る10月11日から4日間、青山学院大学のコミュニティ人間科学部の3年生の学生さんたち6名が、地域づくりの手法を学ぶプログラム「地域実習」の一環で当館に滞在されました。引率の先生からのアドバイスを受けつつ、当館の成り立ちについて話を聴いたり、博物館活動のいくつかを体験したり、また館長や学芸員にたっぷりインタビューを行ったりして、濃密な時間を過ごされました。10月16日のブログでもその様子をご報告しております。
●4日間のプログラムを終えた後、報告会を行い、学生さんたちから当館について感じたところを発表してもらいました。その内容を文章に画像をつけてお送りいただきましたので、ホームページをご訪問下さる皆さまにもご覧いただきたく、このブログで3回に分けてご紹介いたします。館長、スタッフ一同、若い人たちの温かく純なまなざしに励まされる思いです。
●まずは、当館の建物に注目された学生さんのレポートからどうぞ。(尾崎)
*日本玩具博物館、建築にも込められた人々の思い*
●日本玩具博物館は、1974年に館長である井上重義さんがご自宅の一部を展示室として公開したことがはじまりであり、その後も増改築を繰り返し、今の形へと至りました。その建築には設計の段階から館長の手で行われており、コレクションだけではなく日本玩具博物館という施設全体に、次の世代、そして地域が誇れるようなものをという思いが込められています。
●白漆喰の塀に囲まれた玄関口は姫路城にインスパイアされたつくりとなっているとは館長の談。塀を彩る立派な瓦は姫路城のものを手がけた伝統ある工房さんの手によるものだそうです。
●玄関を抜けるとまず迎えるのは1号館2号館。ちりめん細工に日本の玩具と見て楽しい触って楽しい展示が目白押しではありますが、少し視点をマクロにすると天井にも楽しい仕掛けが。上から来場者の方々を見つめるのは大きなダルマ──ではなく凧。凧は郷土玩具を収集するきっかけとなった資料群ということもあり、日本玩具博物館を象徴するコレクションの一つです。彼らが身を寄りかける壁は、館長自らがペンキ筆を握って塗り込めたという開館以来の思い出が詰まったものです。
●石畳を渡ると見えてくるのは、椿の植わった中庭を眺める、縁側が特徴的な建物。その名も「らんぷの家」。古民家を意識して設計されたそこは、子どもたちのワークショップをはじめとして広く開放され、来場者の方が田舎に帰ったような気持ちになれるような場所としてデザインされています。
●さて、日本玩具博物館には、館長だけではなく、展示に関わる尾崎学芸員や、資料を寄贈したコレクターの方々をはじめとする沢山の人の思いが集まっています。
是非、日本玩具博物館という人の思いが収められた蔵(くら)を訪ね、当館の誇る宝、郷土玩具をご覧になってください。
※動画を作成しました。こちらもぜひ! 日本玩具博物館 – YouTube (R.Iwase)
*ここは、日本のコマ・世界のコマの宝庫です!*
●みなさんはコマを回したことはありますか?
●小さい頃に幼稚園で、小学校で、学童で、おじいちゃんおばあちゃん家で、など色々なところで回す機会があった人も少なくないでしょう。そんなコマですが、古墳時代から存在し、国外にもたくさんの種類があることをご存じでしょうか。江戸時代後半だと花独楽(はなごま)やバイ(=ベーゴマ)などがありました。バイは現在のベイブレードの祖先と言えば想像がつく人も多いかもしれません。花独楽は近年ちりめん細工でリメイクされるなど広がりを見せています。海外のものだと日本でも馴染み深いひねりコマや投げコマがその国特有のデザインで多く見られる一方で、人形コマのような日本には見られない形状のものもあります。他にも国内外問わずルーレットに使われるコマや、祭典につかわれるコマなどもあります。
●ここ日本玩具博物館には2号館や4号館を中心にして、色々な場所にコマが展示されています。
●2号館では実際にコマを回すこともでき、気に入ったものはショップで購入することも可能なので、みなさんもお気に入りのコマを見つけてみてください。ちなみに私のお気に入りは、オランダのアンビトーイ社製「人形ごま」です。どこにあるのか、ぜひ見つけてみてください。(H.Suzuki)
<次号へ続く>
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