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blog日本玩具博物館の魅力を発信!~当館で「地域実習」を終えた学生たちからのメッセージ・その2
●11月7日から5日間の「地域実習」を終えた青山学院大学のコミュニティ人間科学部の3年生の学生さんたちからのメッセージ・その2をご紹介します。
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*愛され続ける博物館*
*小久保 遥陽(こくぼ はるひ)
◆この度の実習で、5日間姫路に滞在しました。私は初めてこの町に来ましたが、お店の人をはじめとして、とても温かい方が多いところだなと感じていました。中でも玩具博物館の方々は本当に皆さん優しく、私たちをすぐに受け入れてくださり、博物館について沢山のことを教えてくださいました。そして私自身、来たその日にはもう、玩具博物館のことをとても好きになっていました。
◆5日間の中でも特に印象に残っているのはやはり、50周年記念イベントでの様子です。私たち学生は、ワークショップのお手伝いをさせていただきました。数箇所でいくつかの種類のおもちゃを作っていましたが、どこを担当した時も、キラキラ目を輝かせた子ども達が楽しそうに「教えて!」と声をかけてくれました。特に「隠れ屏風」のおもちゃは大人気で、作れた子どもは「皆に学校で自慢する!」と嬉しそうに話してくれたことをよく覚えています。また、子ども達からは「玩具博物館には昔からよく来ていたから馴染みがある」などという話も聞きました。自分の家の近くにこんな素敵な博物館があったなら、と私自身、少し羨ましく思います。
◆一方で、ワークショップの最中に様々な方と交流していると、遠方から来たという方も多そうであると感じました。電車の時間を気にしながらも、なんとか作品を完成させようと頑張っていた子もいて、手伝いの最中微笑ましい気持ちになりました。近所の子ども達だけでなく、遠くからも多くの人が来る、日本玩具博物館は本当に沢山の方々に愛された博物館だなと実感した1日でした。
◆日本玩具博物館は、地域に開かれた博物館ということで、事前に色々と勉強してきたつもりでした。しかし、実際に伺ってみるとそこにはとても文字からだけでは伝わらない魅力が詰まっていました。地域の皆さんが「日本玩具博物館」を、そしてこの町を大切に想っている気持ちがしっかりと伝わってきました。機会があれば、すぐにでもまた是非伺いたいと感じています。大変貴重な経験をさせていただきました。日本玩具博物館の皆様、5日間本当に有難うございました。
*みんなつながる博物館*
*齋藤 杏佳(さいとう きょうか)
◆実習を通して、常に感じていたのは日本玩具博物館に関わる人たちのあたたかさでした。館長さんや学芸員さん、スタッフの方やボランティアに来られた方、来館者の方までが温かく迎え入れてくださったことがとても印象に残っています。私がイメージする博物館は、学習施設としての印象が強く、展示品を見に行くことが主な目的で、静かな館内、少し緊張感のある空気、非日常的空間などが連想されます。それを悪いとは思いませんが、日本玩具博物館を訪れると自分の思う博物館像とはあまりに異なり、驚くばかりでした。
◆特に驚いたのは地域の人、来館者との距離が近く、交流が盛んであり、展示品の中には来館者の方が寄贈された物も少なくないというところです。井上館長と尾崎さんから館内を案内していただいたときも、展示品や館にまつわる来館者の方とのエピソードがとても多く、来館者の方も日本玩具博物館を作り上げる、構成する一部であることが分かりました。
◆館内には古い物から新しい物、外国のものなど本当に多種多様な玩具が揃えられており、来た人は緊張感どころか懐かしさを感じているような穏やかな様子で鑑賞している様子が多々見受けられました。でもそれはおそらく、日本玩具博物館が扱う玩具・民俗資料によるものだけでなく、玩具博物館が地域に開かれた存在であり、館に関わる全ての人があたたかい雰囲気を作り出していることも大きいのではないかと考えました。
◆開館50周年の記念行事には多くの人が集まりましたが、時々来るという人も、初めて来る、久しぶりに来た、と言うような人も、一様に楽しむ姿を見ることができ、この博物館がいかに愛されているか、地域の人にとって身近な存在であるかを改めて目の当たりにしました。日本玩具博物館が多くの人に愛されているのは、人との繋がりを大事にされているからだろうと思いました。
◆また、実習期間中は地域の中の博物館として様々なお話を聞かせていただいたり、資料の採寸・整理・梱包などを体験させていただいたり、記念行事でワークショップを担当させていただくなど、本当にたくさんの学びの機会と貴重な経験をいただきましたが、どれも楽しく活動させていただけたこと、度々助けていただいたことをありがたく感じました。
*人々の出会いによってつくられた博物館*
*鈴木 あかね(すずき あかね)
◆5日間の地域実習で最も印象に残ったのは、日本玩具博物館に関わる人々の多さと、そのつながりの深さである。
◆博物館の歴史や資料について学ぶ中で、井上館長や尾崎さんから数多くのエピソードを伺った。その中には、コロンビアからの来館者が自国のけん玉を寄贈してくれた話や、チェルノブイリ子ども基金の翻訳者がロシアの土人形を大量に送ってくれたという話があった。これらの出来事は、来館をきっかけに多様な人々とのつながりが生まれ、それが博物館のコレクションを豊かにしていることを物語っている。日本玩具博物館は、来館者が「自分の故郷のものに出会える喜び」を感じる場であると同時に、「ふるさとのものを飾りたくなる場所」としての魅力があると感じた。
◆また、博物館が地域の子どもたちと築いている関係も注目すべきものだった。地域の子どもたちは博物館に自由に出入りでき、その結果博物館は彼らにとって「たまり場」や「居場所」になっているようだ。また、不登校の子どもが職員に相談に訪れることもあれば、子どもたちが来館者の案内役を務めることもあるという。このように、博物館が子どもたちを支え、また子どもたちも博物館を支えている関係性に、私は温かさと強い結びつきを感じた。
◆さらに、50周年記念イベントでは、館長や尾崎さんが多くの来場者から挨拶されていた光景が印象的だった。その中には招待客だけでなく、自ら足を運んで来館してくれた人も数多くいたようだ。これは、博物館が玩具への強い情熱や地域への貢献を通じて、多くの人々から支えられていることの表れであると感じた。
◆こうした経験を通じて、日本玩具博物館は多くの人々とのつながりによって発展してきたということを強く実感した。尾崎さんが語った「人々の出会いによってつくられた博物館」という言葉は、まさに本質を表していると感じる。これからも、地域の方や玩具を愛する人々が気軽に足を運びたくなるような、温かい存在であり続けてほしいと考えた。
***********その3に続く*********
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