今月のおもちゃ
Toys of this month
2018年3月
「雛の勝手道具」
雛祭りになると今では見かけることが無くなりましたが、京阪神の裕福な家庭では昭和30年頃まで、雛の段飾りの前に台所道具を模した小さな勝手道具が飾られ、女の子たちは勝手道具で遊びながら家事を覚えていきました。雛の季節に小さな勝手道具が飾られるようになったのは江戸時代後期からで、2006年2月の「今月のおもちゃ」で詳しい解説をしています。
その後も当館には、貴重な勝手道具の数々が寄せられ、写真の勝手道具は、一昨年11月に宝塚在住の方から受け入れたもので、以前は大阪にお住いでした。勝手道具は高さ約26cm、幅60㎝、奥行き30㎝で、明治末期頃のものですが、その繊細で緻密な内容の濃さから、多数所蔵する当館の勝手道具コレクションのなかでも特筆すべきものです。
現在、2号館のままごと道具の展示コーナーで展示しています。