「飾り兜」 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2012年5月

「飾り兜」

  • 江戸末期~明治初期
  • 日本/木・練物・金属・毛織物

 飾り兜は兜頭巾とも呼ばれ、5月5日の端午の節句に飾られました。しかし飾り兜が飾られたのは今から100年以上も前です。明治末期には製作されなくなったと推定され、現存するものは少なく貴重です。

 端午の節句は古くは武家を中心に行われ、江戸時代中頃までは往来に面した家の外に、戦陣にならって幟や吹流し、槍や長刀、飾り兜などが飾られ、裕福な町人もそれを真似て飾りました。

 外飾りは次第に小型化して、江戸時代末期には幟や吹流しのほかは屋内で飾られるようになります。飾り兜も小型化し、高級化して屋内で飾られるようになりました。

 写真のものは江戸末期か明治初期のものと推定され、今では見かけることがない貴重な飾り兜で高さ44㎝です。当館所蔵の尾崎清次コレクションのひとつでもあり、現在、6号館で開催中の特別展「端午の節句~明治と大正の武者飾り~」で展示中です。