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blog開館41年目のスタートです
■あけましておめでとうございます。当館は昨年、開館40周年を迎えました。その長年の蓄積と活動をベースに、開館41年目をスタート致します。
■昨年は開館40周年ということもあって、新聞各紙にも大きく取り上げられました。なかでも地元紙の神戸新聞の「随想」欄には、昨年の5月~8月まで計8回、当館のことや私自身のことなどを書かせていただき、大きな反響がありました。個人経営イコール営利のためと見られがちですが、当館の活動内容や私自身の博物館についての考えを、大勢の皆様にご理解いただくことができてよかったと思います。さらに神戸新聞には本日から1年間、コラム欄に毎日、「おもちゃの四季」と題して私と尾崎学芸員が交互に執筆いたします。本日がそのスタート。姫路のコマについて書きました。
■開館40周年の余波は現在も続きます。昨年暮れには日本経済新聞の取材があり、今月初旬に掲載されます。産経新聞からも執筆依頼があり、博物館設立の動機や活動について書かせていただきました 。1月19日(月)の関西地域配布の夕刊に掲載予定と連絡がありました。博物館を取り巻く厳しい状況下、個人立でありながら、博物館のあるべき姿を考え、活動している館があることを一人でも多くの方に知っていただければ嬉しいです。
■これまでの40年間、失われようとする子供や女性の文化遺産の収集と保存に取り組んできました。基本的な姿勢は成功例の後追いをするのではなく、当館でないと見ることができないコレクション群の構築でした。昨年末には上京した機会に、久しぶりに五反田の海外の民芸品を扱う卸業者が入っているTOCを訪れました。アジアやアフリカなどの民芸品を扱う業者の多くが廃業、撤退され、厳しい状況を痛感しました。恐らく、世界の民芸的な玩具や人形の収集は今後は不可能に近く、蒐集時期に恵まれた幸運を痛感しました。
地方にある小さな個人立の博物館ですが、コレクションが全国誌や教科書などに取り上げられることが増えてきました。『清流』は中高年の主婦を対象とした雑誌ですが、当館のコレクションが2カ月に亘り大きく紹介されました。1月号には私が「郷土玩具」について解説。2月号は尾崎学芸員が「懐かしのままごと道具」として解説。いずれも5~6頁もの大きな扱いでした。教科書会社からの画像貸し出しの依頼も増え、雛人形、ままごと道具、紙メンコなどが新年度の教科書で紹介されます。
■<ブログ「館長室から」2014年2月28日>でも紹介しましたが、今月23日から目黒雅叙園で開催される「百段雛まつり 瀬戸内ひな紀行」に、当館の雛人形コレクションとちりめん細工が展示されることになり、その準備に昨年から取り組んできました。当館のほか、西宮の白鹿記念酒造博物館、倉敷の野崎家塩業資料館、鞆の浦の太田家住宅から出展されますが、8会場のうちの4会場が当館の所蔵品です。豪華な檜皮葺の御殿飾りやちりめん細工が展示されます。とりわけ1階の玄関口には雛人形と並び、大きなちりめん細工のつるし飾りが8点展示されます。作品はこの展示のために、関東や東北地方で活躍されている当館のちりめん細工講師が数カ月がかりで丹精込めて制作された吊るし飾りです。すでに当館に届いていますが、どれもが立派で、大きな感動を受ける美しく豪華な作品です。3月8日までの会期中に例年、6万人もの来園者でにぎわいます。
■当館からは御殿飾りなど多くの雛人形が出展されますので、2月7日から始まる当館の雛人形展を心配なさる方も多いと思います。が、ご心配なく。当館の本年度の雛展は「雛まつり~まちの雛・ふるさとの雛」です。江戸期や明治期の初公開の雛人形や日本各地で作られた土雛や押し絵の雛などが勢ぞろいした個性豊かな雛展を開催します。久しぶりに出会われる雛、初公開の立派な雛との出会いに感動されると思います。この春は目黒雅叙園と当館の雛人形展にぜひお越しください。
■また新しく貴重な資料の寄贈を受けました。『童遊文化誌』の著者であり共立女子大学教授であった故半澤敏郎様のご遺族から連絡を受け、先生が収集されていた玩具の寄贈について依頼があり、散逸してはと考え、昨年の暮れに東京の中野区のご自宅を訪問。コレクションを引き取りました。泥メンコ、カルタ、双六などが中心ですが段ボール箱で約15箱。これから整理が始まります。
■今年も仕事に追われる日が続きますが、どうぞよろしくお願いいたします。
(館長・井上重義)
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