大盛況だった「ちりめん細工の世界」・・・・博物館の使命とは | 日本玩具博物館

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館長室から 2006.08.30

大盛況だった「ちりめん細工の世界」・・・・博物館の使命とは

8月10日から21日まで大阪府守口市の京阪百貨店守口店7階京阪ギャラリーで開催された「ちりめん細工の世界」(主催/朝日新聞社、出品協力/日本玩具博物館)には、連日500~700人もの入場者があり盛況裡に終了しました。

会期中、私は会場に4日間出かけましたが、最終日に会場監視員から「大盛況でしたね。この百貨店は地域密着型で普段の展示は近隣の方が多いのです。このたびは遠方の方が多く、それに滞在時間も長く、驚きました。」と嬉しい言葉をいただきました。確かに会場は、大阪の都心から少し離れたところに位置していましたが、この展覧会を見るため、広島、香川、徳島、静岡、千葉といった遠方からもわざわざご来場下さったのです。館長室からの前号で紹介した「傘飾り」も大好評でした。「値打ちのある素晴らしい展覧会をありがとう。」と、私も何人もの方からお言葉をいただきました。今回の展覧会は、展示構成も素晴らしかったのですが、来場者に満足感と感動を与えたのは、なんと言っても展示品の持つ魅力でした。当館が20数年間にわたり、こだわり集めてきた資料が大きな力を発揮したのです。

私は、博物館にとって収蔵資料の充実を図り、個性的なコレクションを築くことが、何時の時代でも忘れてはならない大切な使命であり、博物館を活性化することにつながると考えてきました。しかし、博物館ブームが去り、来館者が減少する中で、サービス充実や集客対策など、目先の活動に重点をおく館が増えていると思うのです。先日もある公立館の学芸員から「年々予算が削られ、収集予算はゼロに等しい」と聞かされ、博物館の将来に不安を感じました。

博物館についてイコム(国際博物館会議)は、「社会とその発展に貢献するため、研究・教育およびその楽しみの目的で、人間とその環境に関する物的資料を収集、保存、研究し、これを伝達、展示する、人々のために開かれた非営利の恒久的機関である」と定義。わが国の博物館法も、「歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクレーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関で規定による登録を受けたもの」と定義しています。「博物館のあるべき姿」を原点に戻って、再確認する必要はないでしょうか。

(館長・井上重義)

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