「太鼓櫃の甲冑飾り」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2011年5月

「太鼓櫃の甲冑飾り」

  • 江戸末~明治前期
  • 江戸・京阪/紙・木・布・金属

 男児の健やかな成長を願って、端午の節句には幟や武者人形などと共に甲冑が飾られます。その端午の節句飾りにも時代による変遷があり、江戸初期には幟や飾り兜や武者人形などが屋外に飾られました。それが江戸後期に屋内の座敷で飾られるようになると、工芸技術を生かした豪華な甲冑飾りが作られるようになって今に至ります。

 しかし、甲冑飾りにも変遷があって、大正頃までは現在のような長方形の鎧櫃でなく、江戸製も京都製も同じく三味線形の胴をした素朴な太鼓櫃が主流でした。ただ甲冑は江戸製が本物を真似た渋好みが多いのに対して、京阪製の甲冑は袖や草摺りに赤い絹糸を使った派手な豪華なものが多かったのです。写真は現在では見かけることが少ない江戸末期の太鼓櫃の甲冑飾りで江戸製(左)と大阪製の (右)です。現在開催中の特別展「端午の節句飾り」で展示しています。高さ74センチ。