「天津の泥人形」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2013年8月

「天津の泥人形」

  • 1923年
  • 中国/土

 土を材料に作られる人形は、わが国では「土人形」と呼ばれて全国各地で作られています。中国でも今も各地で作られ、「泥人」と呼ばれていますが、その代表格が天津・北京・無錫の泥人です。これらは土を型抜きした後、窯で焼き、彩色して仕上げますが、題材は舞台や古典文学の三国志などに登場する人物や近年では民間の風俗人形が数多く作られています。

 河南省や山東省などの地方で作られる泥人は素朴で地方色豊かなものが多いのですが、天津・北京・無錫など都市部で作られる泥人は、わが国の博多人形と同様に洗練されたものが目立ちます。中でも有名なのが天津です。同地では「泥人」に「張」を付けて「泥人張」と呼ばれるのは、創始者の張明山(1826~1906)の名が入っているからです。

 写真の作品は人形の背面に「天津・大正12年(1923)12月」とある貴重な作品で、現在開催中の特別展「中国の民間玩具」で紹介しています。高さ14cm