「水遊びと縁日のおもちゃ展」から~懐かしい樟脳船(しょうのうせん)~ | 日本玩具博物館

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館長室から 2005.07.25

「水遊びと縁日のおもちゃ展」から~懐かしい樟脳船(しょうのうせん)~

月6日(火)まで1号館で開催中の「水遊びと縁日のおもちゃ」展には、昔懐かしいブリキの金魚、樟脳船、ローソクで走るポンポン船、水中花などが並び、どれもが懐かしい思い出につながるおもちゃだけに、子どもたちよりも中高年の大人に人気です。これらの多くは夜店からカーバイトの匂いが消えるのと共に、いつの間にか姿を消してしまった、思い出に残るおもちゃたちです。

そのひとつの樟脳船は、セルロイド製の全長3~4センチほどの小さな船です。水を入れた盥に浮かべると、ミズスマシが泳ぐようにすいすいと音もなく走り回ります。この不思議な船は「樟脳船」の名の通り、防虫剤の樟脳の小片を船尾に挟んで水に浮かべると、樟脳が溶けるのに従って強まる水の表面張力を利用して走るのです。樟脳船はときたま露店で見つかることがあり、当館では35年ほど前に姫路のゆかた祭りの露店で売られていたものを所蔵しています。また今から15年ほど前にも、大阪の天神祭りの見物に出かけたときに露店で見かけました。どこかで細々と作られているのでしょうか。

その懐かしい樟脳船をさる所で入手しましたので、当館のミュージアムショップで展示にあわせて売っています。帆掛け舟・屋形船・船頭さんの船・ヨットなど7艘と樟脳がビニール袋に入って800円。他にもブリキ製のポンポン船(800円)と金魚(100円・250円)、カチカチ音がするおもちゃ(100円)など昔懐かしいものが並んでいます。夏休みに入って目立つのはお子様、お孫様連れの御夫婦です。懐かしいおもちゃの数々が楽しい会話につながり、博物館での楽しい思い出がふくらむことでしょう。日本の昔のおもちゃで遊んだり、世界の珍しいおもちゃで遊べる体験コーナーも人気です。楽しい夏休みの一日を、お子様やお孫様とご来館下さい。お待ちしています。

(館長・井上重義)

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