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クリスマス絵本の朗読会2019
*急に寒波がやってきて空が真っ暗になった午後、恒例のクリスマス絵本朗読会を開きました。倉主真奈さんをお迎えして開催するこの朗読会も今年で18年目。世界各地のクリスマス文化に触れられるような物語を選び、展示品にからめてご紹介するものです。
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*倉主真奈さんの声音は優しく澄んでいて、天井からフィンランドのヒンメリがゆれる展示室に特別な空気が流れるように感じられます。
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*この朗読会にはファンも多く、今日は小学5年生の女の子が、ハンガリーの小鬼「クランプス」の人形をもってきて下さいました。数年前に、朗読会で出合ったハンガリーの絵本『サンタクロースとぎんのくま』(マレーク・ベロニカ=文と絵/みやこうせい=訳/福音館書店/2007年刊)のなかに、サンタクロースのお伴をするかわいらしいクランプスが登場したことを印象深く覚えていて、大阪のクリスマスマーケットで見つけたクランプスの人形をお母さまに買ってもらわれたのだと。
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*そこで、13時30分からの部では、スウェーデンの絵本『きつねとトムテ』(カール・エリック・フォーシュルンド=詩/ハラルド・ウィーベリ=絵/山内清子=訳/偕成社/1981年刊)に続いて、彼女のクランプス人形を披露してもらいながら『サンタクロースとぎんのくま』を朗読していただきました。クリスマス展の感想ノートには、ステキなメッセージが綴られていて嬉しくなりました。
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*15時からの部では、ポーランドの民族色を感じさせる色彩と繊細な感性で描かれた絵本『ゆき』(ユリ・シュルヴィッツ=作/さくまゆみこ=訳/あすなろ書房/1998年刊)、それから今冬の新刊『クリスマスマーケットのふしぎな夜』(たなか鮎子=作/講談社/2019年刊)をとりあげ、美しくキラキラしたオーナメントたちが活躍する幻想的な世界が展示室に広がりました。
*同じ物語、同じクリスマス飾りを囲んで過ごすひととき―――色や形や音や匂いや目にみえない一体感や・・・―――が温かな思い出となって参加者の皆さんに心にのこされていきますように。
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🎄皆さん、メリークリスマス!
(学芸員・尾崎織女)
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