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学芸室から 2012.03.24

<新収蔵品紹介>大正11年の檜皮葺き御殿飾り雛

<ブログ「学芸室から」2013年3月7日>でもご紹介いたしましたとおり、つい先日、幕末から明治時代にかけて活躍した名工・玉翁の古今雛や大正時代、大阪製の源氏枠飾り雛の一揃いなどが入ってきたばかりですが、また新たに、神奈川県の個人のご家庭(関西ご出身/かつては神戸市内のご自宅で愛しまれていました)より、大正11年の「檜皮葺き御殿飾り雛一揃い」の寄贈をお受けいたしました。

御殿も人形も諸道具も木箱に納まったそれぞれを作業場で開梱し、傷んだところを修理したり、手を加えたりしながら収蔵登録作業を行いました(この資料の登録番号は、No.12-A011)。御殿を収めた木箱にも、人形を収めた木箱にも、「御雛人形司 大木平蔵」の商標が貼られています。これによって、御殿も人形も諸道具も、すべて、京雛の最高峰と誉れ高い大木平蔵(丸平)が調製した雛飾りであることがわかります。どれもこれも美術工芸的に素晴らしいだけでなく、時代の作風の基準を理解するためのよい資料となります。


来春の雛人形展において、お披露目したいと計画していますが、ひと足早く、整理中の画像でその細部をご紹介いたします。

永くお手元で愛しんでこられた雛人形の将来を、私どもにお預け下さいました寄贈者とご家族の皆様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。

(学芸員・尾崎織女)

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