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館長室から 2021.04.23

当館の神戸人形コレクションが一冊の本に—— 『神戸人形賛歌』が出版されます

当館は明治中期から現在まで作られてきた、神戸が誇るべきカラクリ仕掛けの神戸人形を収集。500点を超える貴重な資料を保存しています。その当館の神戸人形コレクションがこの度、一冊の本にまとめられ、『神戸人形賛歌-よみがえるお化けたち』として神戸新聞総合出版センターから出版され、明日から当館売店や書店などで販売されます。B5変型版のカラー144頁で、定価は2200円(税込み)です。

著者は6年前から神戸人形の制作に取り組んでこられた神戸市在住の吉田太郎さん。2015年に当館に神戸人形を作りたいと来館され、当館が所蔵する神戸人形の資料や情報を提供し、その後、神戸人形作者として活躍されています。過日、神戸人形の魅力をより多くの方に知っていただくために、当館所蔵の神戸人形の写真集を出版したいと申し出があり、それが実現したのです。作品の撮影や解説も吉田太郎さんの手になるもので、一足早く完成した本が届き、その素晴らしい内容に驚きました。明治から昭和初期までの74体もの神戸人形が紹介され、その動きと豊かな表情が生き生きと表現され、皆様が神戸人形の魅力に感動されると思います。

神戸人形は神戸市が誇るべき文化遺産と思うのですが評価されず、文化施設に保存されている神戸人形は微々たる数量です。私はいつの日か、神戸市が誇る文化遺産として神戸人形が評価される日を夢見て収集に取り組んできました。この本の出版を機に評価が高まることを願っています。

この書籍の冒頭には「神戸人形を収集して50余年」として、私の神戸人形の収集の経緯などが掲載され、歴代の神戸人形作者の経歴なども掲載され、「海を渡った神戸人形『KOBE DOLL』」として尾崎学芸員のコラムも掲載されています。ぜひご一読下さい。

(館長・井上 重義)

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