日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2021.04.27

緊急事態宣言を受けて休館中の玩具博物館、収蔵庫にて

当館開館20周年記念に植樹したアメリカハナミズキの苗が大きく育ち、若葉が萌える中庭にさわやかな花を咲かせています。緊急事態宣言を受け、兵庫県下の博物館施設とともに当館も休館に入りました。昨春に続き、今年も淋しいGWを迎えます。

6号館へ続く小径

来し方を振り返れば、当館は一年8回から9回にも及ぶ展示活動やその展示にまつわる様々な普及活動——展示解説会、講演会、演奏会、教室、ワークショップ――、館外で開催するいくつもの大掛かりな展示活動、夏休み、春休み、GWのおもちゃ教室、ちりめん細工のシリーズ講座・・・と、休みなく常に行事を抱えて走り続けてきたように思います。

それが昨春は、緊急事態宣言を受けて、日本玩具博物館始まって以来、長期にわたる休館措置をとらせていただいたことから、念願だった1、2号館の常設展の展示替えを行うことができ、またリニューアルを果たした当ホームページの膨大なアーカイブ入力作業などに注力することが叶いました。

そして今春は、収蔵庫の品々を全て取り出し、整理作業を行います。膨大な収蔵品に対して、あまりにスペースが小さく、収蔵庫と呼べるものではないのですが、さわやかな風の吹くこの季節を利用して、曝涼を行いつつ、節句関係資料から、グループごとに収蔵の仕方を変えていこうと館長と話しているところです。すでに製作が終わっている「収蔵品カード」と照らし合わせられるような庫内を目指します!

ここは普段、講座や教室、ワークショップを開催しているスペースです。

本来なら、収蔵棚の上に梱包を解いた状態で休ませるべき資料も多いのですが、とてもそのような空間的余裕がなく、木箱や段ボール箱に薄葉紙や綿枕などでゆるく梱包をした状態で節句資料が眠っています。大掛かりに取り出して整理作業が行えるフリースペースは、講座やワークショップを開く場所でもあることから、これまで作業の長期にわたる継続が非常に難しかったのですが、このコロナ禍がもたらした時間的余裕を味方につけて、細やかにそして大胆に、整理作業を進めていこうと思っています。

(学芸員・尾崎 織女)

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