ブログ
blogテーマ展「神戸人形賛歌」とウエブサイト「ちりめん細工」
■緑滴るの季節を迎えました。当館6号館への通路の周辺には白いドクダミの花が真っ盛りです。兵庫県は先月、緊急事態宣言が延長されました。しかし博物館施設に対しての休業要請はなく、県内の公立博物館や美術館、それに私立の博物館も通常通り開館することが判明し、当館もマスク着用や検温などの感染症対策を実施して、先月13日から通常通り開館しました。しかし来館者は大幅な減少が続き、1日に4・5名しかない日もあり、厳しい状況に驚いています。
■ただ来館者は当館のテーマ展「神戸人形賛歌」を知って初めて来館された方も多く、こんな素晴らしい博物館とは思わなかったと再三嬉しいお言葉を賜っています。神戸人形賛歌展は同名の著書が神戸新聞総合出版センターから先月に出版が決まっていましたので、それに合わせ明治中期~昭和戦前までの作品180点を展示中です。同書は現在の神戸人形作者吉田太郎さんの著書ですが、掲載作品は明治中期から昭和の戦前までの作品が74体、総てが当館の所蔵品です。それに冒頭には私が「神戸人形を収集して50余年」として執筆しています。収集の経緯と最後には「神戸人形は、神戸市が守るべき文化遺産と考えているが、神戸人形に対する認識は低く、文化施設に保存されている神戸人形は微々たる数量である。当館の所蔵資料がいつの日か、神戸市が誇る文化遺産として認識され、神戸で保存公開される日を夢見ている」と記しています。『神戸人形賛歌』は144頁、定価2000円+税。当館売店でも販売しています。
■それと当館は1986年以降、日本女性の伝統手芸である「ちりめん細工」の復興と伝承に取り組んできました。その過程で良質の「ちりめん細工」を制作するには、明治時代頃まで織られてきた薄くて伸縮性のある二越縮緬が必要なことに気付き、丹後の織元の協力を得て復元に成功。ただ昔ながらの織機で織るため1日に1反余しか織れず、それを京都の老舗の染屋で1反づつ昔の手法で染めていただくため高価になり、そのため卸売りはしないで商品の見本帳を作り、卸値で皆様に直販してきました。
■この度、商工会の助言等を受けて「ちりめん細工」のウエブサイトのリニューアルとオンラインショップに昨年から取り組みました。6月1日(火)に「ちりめん細工」のウエブサイトがリニューアルオープンしましたのでお知らせ致します。特に、機屋と染屋の動画を紹介することにより、復刻した正絹二越縮緬が出来るまでの内容をご覧いただいています。
■決済方法についても、郵便局だけでなく、Amazonペイやクレジットカード、コンビニ支払いなども利用できるようになりましたのでご案内いたします。
ホームページでは、ちりめん細工に賭ける私の思いも紹介しています。ご覧いただければ幸いです。https://chirimenzaiku.org/about/shigeyoshi-inoue.php
(館長・井上 重義)
バックナンバー
年度別のブログ一覧をご覧いただけます。