玩具博物館のクリスマスアドベント・第二主日 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

Language

ブログ

blog
学芸室から 2022.12.04

玩具博物館のクリスマスアドベント・第二主日

12月に入ってぐんと気温が下がり、いよいよ本格的な冬の到来でしょうか。12月4日、本日はクリスマスアドベント第二主日です。クリスマスから最も近い日曜日が第四主日ですから、今年は11月27日が第一主日、12月4日が第二主日、11日が第三主日、18日が第四主日となります。キリスト教国では、クリスマスを待つこの4週間あまりに「アドベントカレンダー」を楽しんだり、4本のキャンドルを立てた「アドベントクランツ」の灯を日曜日ごとに増やしたりして、クリスマス当日への期待を高めていく習慣があります。展示のなかでも、アドベントクランツや4本のキャンドルを立てた燭台をいくつかご紹介しています。

また本日12月4日は「聖バルバラの日」。南フランスには、この日、テラコッタのお皿に水を張って麦を撒き、クリスマスまでに芽吹いた数によって、 また緑の麦の伸び具合によって吉凶を占う「バルバラの麦」の風習があります。今年はお隣町、加西市の友人から「ふくほのか」という品種の小麦をいただいたので、そっと願いを込めて、水床に撒きました。農耕カレンダーが終息する時節にあたり、農作物の実りに感謝をし、来る年の豊作を祈る――――異国の風習ですが、私たちの心にもしみ入るゆかしい営みだと思います。クリスマスまでに根を張り、綺麗な緑を育ててくれるでしょうか。

また同じ日、ヨーロッパの各地では森に自生する花桃などの樹木から枝をとって花瓶に生ける「バルバラの枝」の風習も見られます。キリスト教の信仰を捨てることを強要され、幽閉された聖バルバラが小さな部屋に挿し飾っていた桜桃が、殉教した12月4日の朝、かわいい花を咲かせたという伝説に由来するものです。クリスマスの朝、聖バルバラの祝日に切った裸木の枝に花が咲いたなら幸福が訪れる徴だといいます。今朝、井上館長に庭のプラムとサクランボの枝を切ってもらい、「バルバラの麦」の傍に置きました。クリスマスを迎えるころには、ご来館者と一緒に花さく真冬の枝をお祝いできますようにと願いをかけて。
「バルバラの麦」「バルバラの枝」は、クリスマス展会場前のテラスに置きました。ご来館の皆さまには成長の様子をお楽しみくださいませ。


さて、クリスマス・アドベントに入り、当館のクリスマス展を目指して来館される方々も日増しに多くなっています。キリスト教系の子ども園からの小さなお客さまの来館が続き、また先日は、大阪府寝屋川市で文庫活動をなさっておられる「本ともクラブ」の方々をお迎えして、見学会とワークショップを開催しました。―――昔話やわらべ歌、絵本などの世界と玩具の世界は親和性が高いこともあって、非常に熱いまなざしで当館の展示をご覧下さり、私たちにとっても楽しいひとときでした。

――というわけで、クリスマスワークショップ第一弾は、その「本ともクラブ」の皆さまとともに。デンマーク伝承の切り紙細工「ユールヤータ」を作って、クリスマスツリーに飾りつけました。ユールヤータは小籠になっているので、子どもたちへのプレゼントをしのばせることができます。作り方は、昨年12月のブログでご紹介していますので、ご参考になさってください。(→こちら

アドベント第二主日の本日も展示解説会を開きましたが、12月は、日曜日ごとに開催を予定しております。また12月10日には、「マツカサの妖精」を作って飾り付けるワークショップも計画しておりますので、日時を合わせて、どうぞご来館くださいませ。

(学芸員・尾崎織女)

バックナンバー

年度別のブログ一覧をご覧いただけます。