新春の玩具博物館 | 日本玩具博物館

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学芸室から 2023.01.20

新春の玩具博物館

皆さまには癸卯歳をどのようにスタートされたでしょうか。旧年中は私どもの博物館活動にご協力ご支援賜りありがとうございました。当館は、開館49年目となる2023年を、来館者の皆さまとともに穏やかに賑やかに迎えることができました。本年は、博物館事業の次代への継承を図るべく、井上館長以下、皆で取り組んでまいりたいと思っております。温かいお心でお見守りくださいますようどうぞよろしくお願いいたします。

昨年12月4日、聖バルバラの日に当たり、庭で井上館長に切ってもらった「バルバラの枝」が1月13日になって花を咲かせてくれました。その昔、バルバラという若い女性が殉教した12月4日、幽閉された小さな部屋に挿し飾っていた桜桃が花を咲かせた伝説に基づき、この日に花瓶に生けた桜桃や梅などの枝がクリスマスまでに花をつけると佳いことがおこる徴とか…。東方正教会のクリスマスは1月7日ころですし、庭の梅よりは早く開花しましたし、何よりクリスマス展会期終了前に可愛い花を見せてくれましたので、少し遅れ気味になるかもしれませんが、日本玩具博物館の2023年は良い年になると思います!

昨年より当館の新たなスタッフの企画によって、日本玩具博物館所蔵資料のデジタル化を進めており、その一環で、1月より休館日を利用して、常設展示室の郷土玩具の産地別撮影作業を始めました。資料撮影をお願いしたのは、35年来、ポスターやチラシ制作などの度にお世話になってきたカメラマンの島内治彦さんです。島内さんは人物も風景もお撮りになりますが、ポジフィルムの時代から、私たちは彼の玩具写真が好きです。
北海道・東北地方から関東地方、甲信越、中部東海地方、近畿地方、中国・四国地方、九州・沖縄地方まで、当館が所蔵する日本の郷土玩具の数量は膨大です。そこで、まずは、現在、常設展示室でご覧いただいている代表選手から産地ごとに撮影し、リスト化を行ってまいります。この公式サイトにおいても、皆さまに広くご紹介できるよう取り組んでいけたら…とスタッフたちと夢を広げているところです。撮影の様子をご紹介いたします。

そのような作業にも心を砕いているうちに季節は春へと向かいます。6号館の「世界のクリスマス展」は1月22日で終了し、その後、少し時間をいただいて、春恒例の「雛まつり展」へと展示替えをいたします。今春のテーマは❝江戸から昭和のお雛さま❞――6号館全室に緋毛氈を広げ、当館が誇る時代雛を大切に展示しいたしますので、どうぞ楽しみになさっていてください。

(学芸員・尾崎織女)


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