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学芸室から 2023.02.04

雛まつり展2023オープン!

大寒中は大寒波到来で、日本全国ずいぶん冷え込みが厳しい日々が続きましたが、皆さまにはお元気でお過ごしでしょうか。播磨地方にも久しぶりに10センチを超える積雪があり、雪に馴れない暮らしゆえ四苦八苦。それでもあくる日にはよく晴れたので、子どもたちと雪だるまを作ったり、雪うさぎを仕立てたりして、雪の日ならでは楽しみもありました。

南天の葉と千両の実の雪兎

さて、そんな大寒中、学芸室では「世界のクリスマス展」から「雛まつり展」へと展示替え作業に没頭しておりました。今春のテーマは「江戸から昭和のお雛さま」。江戸時代後期から昭和時代に都市部で飾られた町雛の数々を、江戸(関東)地方と京阪地方を対比させ、地方色に注目しながら展示するほか、「親王飾り」「段飾り」「御殿飾り」「源氏枠飾り」などの雛飾りの様式をご紹介するものです。

西室展示風景――第一章・江戸と明治のお雛さま 
東室展示風景――第二章・雛飾りの様式いろいろ

また押絵や木彫といった製法の異なる昭和時代の雛人形も登場して、多彩な雛飾りをお楽しみいただける展示内容となっています。

姫路押絵の雛人形 段飾り(昭和10年代)

本日、展示室をオープンいたしましたところ、華やかで春らしい彩りと古雛たちのざわめきのなか、あちらこちらから、ご来館の皆さまの歓声とため息が漏れ聞こえてきました。

本展では、クラシックで雅やかな展示風景を味わうとともに、個々の雛人形や雛道具にまつわるお話や人形たちの細部をゆっくり鑑賞していただきたく思います。いくつかの展示品については、スマートフォンなどの端末で各所に設置しているQRコードを読み込んでいただき、お手元で詳しい情報を得ていただけます。先の「世界のクリスマス展」で初めて同様の試みをいたしましたところ、ご好評をいただいたこともあり、今回も、動画などもまじえてご紹介したいとスタッフが急ピッチで準備を進めてくれています。

展示室に設置しているQRコードーー展示キャプションの番号と照らし合わせてください

実物に対峙すると、そのモノがもつ独特のオーラや風格が感じられますが、画像や動画などからはリアルな存在感はなかなか伝わりづらい・・・、―――特に、博物館体験のなかでは、展示品との直接対話はもっとも大切な要素であると思います。ただ、例えば、小さな三人官女の小さな小さな口元や眉化粧、また結髪の様子など、細やかな表現は肉眼で直接観ることが難しい場合もあります。そこで、実物をご覧いただきながら、お手元で人形の表情を拡大しつつ鑑賞できたら、雛人形の頭師や結髪師の技の素晴らしさをより強く感じていただけるのではないかと。ご来館の皆さまには、QRコード読み込みによる画像や解説をそのように利用していただけたらと思います。

新型コロナ感染症終息までにはまだ時間がかかりそうですが、注意を払いながら、今年は春恒例の催事なども計画しています。イベント案内を参照していただき、日時をあわせてご来館くださいませ。古雛たちとともにお待ちしております。

(学芸員・尾崎織女)

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<会期中の催事>
解説会 
  *日時= 2023年2月12日(日)・2月26日(日)・3月12日(日) ・4月2日(日)
      ※各回14:30~ 45分程度
  *会場=6号館特別展示室
  *解説者=当館学芸員・尾崎織女
  *ご参加には入館料が必要です。

雛まつりのおはなし会『三月ひなのつき』
   篠山ストーリーテリングの会の小山三智子さんをお迎えし、石井桃子さんの創作童話
   『三月ひなのつき』に登場する木彫彩色の❝寧楽びな❞にとてもよく似た段飾り雛の
   もとでお話を語っていただきます。
  *日時=2023年3月4日(土) 14:00~ 1時間程度
  *会場=ランプの家
  *参加費=無料(館内観覧には入館料が必要です。 
  *定員=35名(事前に電話、FAX、メールなどでご予約下さい)

ワークショップ「貝合わせ」を作って遊ぼう!
  *日時=2023年3月25日(土) 13:30~15:30
  *会場=6号館前テラス&ランプの家
  *持ち物=筆記用具
  *参加費=300円(材料費含む)


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