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学芸室から 2014.08.03

旧暦の七夕・播磨の七夕飾り伝承会

ランプの家の七夕飾り

皆さまには暑さの厳しい日々をお元気でお過ごしでしょうか。猛暑お見舞い申しあげます。
今年は8月2日が旧暦七月七日にあたり、2日の朝、らんぷの家に播磨地方の七夕飾りを立てました。2本の笹飾りの間に1本の女竹を渡し、そこに、色づき始めたホオズキ、やっと穂が出始めたイネ、初生りのカキ、クリ、イチジク、そしてナスやキュウリやトマトなど、畑の野菜をそれぞれ一対にして 吊るすものです。これは、播磨地方だけではなく、但馬や丹波地方の農村部にも見られ、昭和30年代頃までは広く知られていた七夕飾りです。

ブドウ、イネ、カキ、オクラ、ナス、イチジク、トマト …吊るす野菜や穀類に特に決まりはありません。
『守貞謾稿』に描かれた盆棚

“七夕さんはハツモン喰いやから”と明治生まれのおじいさんたちは言いました。秋の豊作祈願でもあり、また、かつての「盆棚」の名残りとも考えられます。
江戸時代後期の随筆『守貞謾稿』などを紐解くと、お盆の一週間前くらいに準備をする精霊棚には、初生りの野菜をそれぞれ一対にして、吊るし供えている様子が見えるのです。

そうした野菜を吊るす七夕飾りに加えて、塩田で栄えた播磨灘沿岸地帯や銀山で栄えた生野町に伝わる「七夕さんの着物」の飾りもプラスしました。野菜と着物が合体した七夕飾りは、市川水系の村々に点在して見られたものですから、私たちの館が立地する香寺町で飾るのにふさわしいカタチといえます。

上段に「七夕さんの着物」、下段に「初生りの対の野菜」


播磨の「七夕さんの着物」と「七夕舟」伝承会

今日の日曜日はご来館者も多くいらっしゃったので「七夕のお話と播磨の七夕飾り」と題して、午前午後合わせて6回の伝承会を開きました。

織物や縫物の上達を願う七夕にふさわしい「七夕さんの着物」、お盆行事とのつながりを感じさせる「七夕舟」、秋の豊作の天に祈願する意味をもつ「初生の野菜や穀物」――ご参加者は、これらを実際に作ったり飾ったりすることを通して、旧暦に祝う節句の季節感をよく感じていただけたかと思います。本日の講座の様子を画像でご紹介いたします。

参加者には、ランプの家の庭で日本における七夕の歴史のこと、播磨の七夕飾りの特徴についても簡単にお話をお聴きいただき、その後、6号館前のテラスで播磨灘東岸に伝わる「七夕さんの着物」と西岸に伝わる「七夕舟」を作っていただきました。中には、播磨ご出身のおばあさまが懐かしげに話しておられた七夕飾りの様子を実体として知りたく思ったからと、遠く奈良からご参加下さった女性もありました。

織物や縫物の上達を願う七夕にふさわしい「七夕さんの着物」、お盆行事とのつながりを感じさせる「七夕舟」、秋の豊作の天に祈願する意味をもつ「初生の野菜や穀物」――ご参加者は、これらを実際に作ったり飾ったりすることを通して、旧暦に祝う節句の季節感をよく感じていただけたかと思います。
伝承会の様子を画像で少しご紹介します。


「8月7日の、ひと月遅れの七夕には、地元らしい七夕飾りを立ててみたいと思います! きっとおじいちゃんおばあちゃんが喜んでくれると思うんです。」と嬉しい言葉も聞かれました。(尾崎織女)

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