日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

Language

ブログ blog

学芸室から 2014.05.25

夏の展示を準備中・・・。

若葉の緑が徐々に深くなり、木々の枝を親鳥たちが巣立ち雛を連れて飛びまわる季節となりました。館の庭ではサクランボが赤い実をたわわに実らせ、メジロたちが嬉しそうに甘い果汁を吸いにやってきています。

只今開催中の1号館企画展「ちりめん細工とつるし飾り」は、2年ぶりの当館でのちりめん細工展とあって、近隣だけでなく、関東、東海、四国、九州、さらに東北地方からの愛好者のご来館もお受けしております。当館ミュージアムショップで通信販売を行っている“古風江戸縮緬(戦前までの縮緬を再現したもの)“への全国的な人気の拡がりや、井上館長の監修で出版を続けているちりめん細工に関する書籍への熱いまなざしと高い評価に鑑み、諸事情が許せば、来春、当館においては展示スペースのもっとも大きい6号館で、古作と新作を合わせたちりめん細工展を開催できれば…と、案を練っているところです。

さて、5月から6月は、毎年のことながら、夏の展示を準備する季節です。今夏は1号館で「日本の人形遊び」(会期は2014年6月7日~11月11日)、6号館で「世界の国の人形」として、当館の人形コレクションの総覧を予定しており(会期は2014年6月21日~10月14日)、どのようなグループに分け、どのようなストーリーでご紹介しようかと収蔵庫から少しずつ人形たちを集めているところです。

人形とひと口にいっても、①ヒトガタや形代、這子、天児のように信仰に関わりのあるもの、②パペットやギニョール、ワヤンクリなどのように人形芝居用の人形、③姉さまや市松人形、ミルク飲み人形、“リカちゃん”のように子どもたちの人形遊びの友となるもの、そして、④雛人形に代表されるように飾って楽しむものなどの種類が考えられます。1号館の人形展では、この中から③をとり上げてご紹介したいと考えております。久しぶりに、伝承者が絶えてしまった姫路の姉さま“ぼんちこ”の講習会も予定しておりますので、どうぞご期待下さいませ。

姫路の姉さま「ぼんちこ」

 

もうひとつ、今夏は北九州市立小倉城庭園内の博物館で「ままごと道具の美」という特別展が開催され、日本玩具博物館が全面的に協力いたします(会期は、2014年7月2日~9月15日)。
野原の真ん中にござを敷き、草のお皿に土団子や花びらを盛って遊んだことなどは、大人になっても心のどこかに鮮やかな思い出として残っているものですね。下の画像は、戦前の児童雑誌『コドモノクニ』第一巻第五号(大正11年/東京社)に描かれた“ままごと”(本田庄太郎画)の場面です。遊びの中に少女の求める美意識を強く感じさせます。

『コドモノクニ』第一巻第五号(大正11年/東京社)に描かれた“ままごと”(本田庄太郎画)の場面

   

このような雰囲気を展示室に広げようと、本展が企画されました。雛まつり登場する小さな台所道具や茶道具を取りあげ、桃の節句のままごとについて紹介する一方、時代を追ってままごと道具の移り変わりをたどります。

展示シミュレーション風景~昭和20~30年代のままごと道具の展示コーナーにはこのような資料を…。

また、アジア、北米・中南米、中近東・アフリカ、ヨーロッパの38ヶ国から民族色の豊かな茶道具や台所のミニチュアなどを一堂に展示して、ままごと世界が伝える少女たちの暮らしの夢を探ります。約160組800点の日本と世界のままごと道具が一堂に会する展示室において、世界の子どもたちの遊びの風景を、また、私たちの国の五十年前、百年前の子どもたちがままごとに夢中になっている様子に思いをめぐらせながら、展示品の美しさをご堪能いただけるように…と、一週間ほど昼夜、小さな世界に没頭して展示シミュレーションを行いました。

世界のティーセットを集めて

小倉城庭園にご協力して、出品展示を行うのは、「ちりめん細工・春の寿ぎ」「ミニチュア玩具の世界」「クリスマス~喜びと祈りのかたち~」「子どもの晴れ着とちりめん細工」に続いて5回目ですから、すでに、園のスタッフの方々をはじめ北九州の皆さまには敬意と愛着を覚えております。会期までにはまだ時間がありますが、心をこめて準備してまいりますので、夏のお出かけのご予定に置いていただければと思います。(尾崎織女)

バックナンバー

年度別のブログ一覧をご覧いただけます。