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イースター・サンデー
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●今日はイースター・サンデー。薄曇りの日曜日、お花見に出かけてしまわれたのか、博物館はいつもの日曜日に比べてぐんと来館者が少なかったのですが、たくさんの花々が咲き始めた中庭でささやかに、“エッグ・ハント”を開催しました。“エッグ・ハント”は、イースター当日の早朝、大人たちが野や庭に染めた茹で卵を隠し、子どもたちが小籠を手に、卵を探しまわる遊び。見つけた卵はイースターの食卓にのぼります。
●ヨーロッパにおいて、春を祝って卵を飾ったり食べたりする習慣は、キリスト教よりもずっと古い時代から存在していました。ユダヤ教の「過越の祭(すぎこしのまつり)」でも、新しい生命と信仰のシンボルとして卵が食べられました。またさらに古く、太陽信仰の時代においても卵は豊穣のシンボルとして重要な意味をもっていたといわれます。
●1号館の企画展「春を祝うイースターエッグ」では、美しく彩色された卵殻のオーナメントの実物を多数展示しているのですが、“エッグ・ハント”の風習などは、欧米の絵本によってご紹介にとどまっているため、実際に楽しんでみていただくのも一興かと思い――。
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●イースターの前日の夜、ゆで卵を作って玉ねぎの皮やホウレンソウ、コーヒー、ウコンなど、安全な植物素材で染め、卵殻にイースターらしいシールをはって用意をしました。朝、館の中庭のあちらこちらに隠し、エッグ・ハンターを募って、さあ、卵さがし!!
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●今回は、みんなで探しまわった卵を籠の中に持ち寄り、早く見つけた人から順番に気に入った卵をひとつ、持ち帰ってもらうようにしました。ご参加の皆さんには、ほっこり嬉しい春の日の喜びを受けとっていただけたのではないかと思います。今度開催するときには、広くお知らせをしてもっとたくさんの卵を準備し、たくさんのハンターを募って、私たちにはめずらしい異国の風習を楽しんでみたいと思います。
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(学芸員・尾崎織女)
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