イースターエッグを作ろう! | 日本玩具博物館

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学芸室から 2013.03.24

イースターエッグを作ろう!

日本玩具博物館の庭では沈丁花や菫が清々しい香りを漂わせ、杏やこぶしやモクレンや…木々の花々が明るい日差しの中で姸を競っています。桃や桜の蕾も膨らんで爛漫の春が目の前!という感じです。

サクランボの花が満開です!

そんな季節感の中、“イースターエッグを作ろう!”と題するワークショップを開催いたしました。中身を抜いた鶏の卵殻に参加者が思い思いの絵や模様をペインティングし、色とりどりのリボンを通してオーナメントに仕立てようというものです。参加者の皆さんには中身を抜くところから体験していただいたらよかったのですが、道具の持ち合わせが少なく、私の方で一ヶ月ほどかけて用意いたしました。

ヨーロッパでは、卵殻に彩色してイースターの卵飾りを作ることもポピュラーであるため、専用の道具も売られているようです。卵の先端に押しピンなどで当たりをつけ、小さな錐で小さな穴を開けると、その穴にポンプつきの注射針をさし、空気を送り込みながら、中身を抜き取っていきます。写真は、その“エッグブローワー”という道具で中身を出しているところ。夜な夜なその作業を行って、合計40個の卵殻――おかげさまで、卵料理のレパートリーが広がりました(笑)。右下の写真の中、ずらりと並んでいるのは、中身が抜きとられ、酢水でよく洗って乾かした卵殻たちが、イースターエッグになるのをわくわくしながら待っているところ。力が入り過ぎて穴が壊れてしまった卵殻は、野の花のための小さな一輪ざしなどにするのはいかがでしょうか。

エッグブローワーで中身を出しているところ
中身を抜いた卵殻…失敗したものは小さな花入れに

日曜日のワークショップには、3歳の小さな子から小学生、学生さん、お父さんお母さん、お祖父さまお祖母さま…様々な年齢層の方々が集い、卵を両手に抱きながら、楽しくペインティング!! 思い思いの飾り紐を通して、それぞれにユニークなオーナメント作りを楽しみました。裸木につるしたり、籠に盛りつけたりして飾り付けた後は、小さなクッキーで三時のお茶会です。クリスマスの絵本朗読会でいつも素敵な読み聞かせを披露して下さる倉主真奈さんがご参加下さっていましたので、急にお願いして、『ありがとう!小さなイースターうさぎ(Vielen Dank, Kleiner Osterhase (by Gemalt von Johanna Schneider, J Ch.Mellinger Verlag GmbH, 2012))というかわいらしい絵本を朗読していただきました。また、差し入れにいただいたチョコレートのイースターエッグ割りを楽しんだりして、(中に魚や亀などをかたどったチョコレートが入っています)春の目覚めを祝うイースターにふさわしいひとときを皆で味わうことができました。その様子を画像でご紹介いたします。

ワークショップの風景

さて、1号館の「春を祝うイースターエッグ展」は来館者の滞在時間も長く、好評をいただいております。先日は、日頃よりご支援ご協力を賜っております笹部いく子さん(京都市在住)から、数々の貴重な資料をお寄せいただきました。笹部さんには開催に先立って、エミューやガチョウの卵によるイースターエッグをお寄せいただいたのですが、今回はまた、ウクライナやポーランド、ルーマニアなどの作家たちによる美しい作品を私どもの展示に役立ててほしいとお贈り下さいました。

さっそく、展示品の中に加えてご紹介いたしております。ろうけつ染めやエッチング、エンボス(色つきの蜜蠟によるペインティング)など、展示品が増え、さらに華やかさと奥行き広がったヨーロッパのエッグ・アートの世界を引き続きお楽しみ下さいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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