夏休みの話題、いろいろ。 | 日本玩具博物館

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館長室から 2016.08.27

夏休みの話題、いろいろ。

8月もあと数日。庭には優雅なオハグロトンボの姿が見られます。例年、当館では夏休みの子供たちを対象に「夏休みおもちゃ作り教室」を開催してきました。今夏も5講座を開催しましたが、最後の講座が昨日無事に終了しました。参加者は親子約30名。江戸時代に流行ったご来迎を参考に、棒を押し上げると筒の中から美しい羽をもつ孔雀が出てくる玩具を尾崎学芸員の指導で作りました。午前10時から1時間半ほどで楽しい作品の数々が完成。子供たちはその仕組みを応用して、孔雀だけでなく、筒の中からロケットが出たり、打ち上げ花火に見立てたものなどを作り大喜びでした。この夏休みおもちゃ作り教室は1977年に5号館のランプの家が建って以来、30余年の歳月を積み重ねてきた当館の由緒ある事業です。

おもちゃ教室に参加の子どもたち

例年大勢の子供たちでにぎわいますが、近年気になるのは応募者数が減少傾向にあることや参加者の低年齢化です。4・5・6年生の参加が減少しています。高学年は塾やクラブ活動などで忙しく、時間の余裕が少ないからというのが要因のようです。子供時代にモノを作ることの喜びや楽しさをしっかりと体験することが、いつの時代でも大切ではないでしょうか。

おもちゃ教室の様子

夏休みには例年、祖父母に連れられた子供たちが大勢やってきます。遠方から里帰りした子供が祖父母と一緒に来るのです。先日もコマ回しの上手な小1の子供と出会い、声をかけると奈良に住んでいるが夏休みや冬休みに祖父母宅に帰ってくると必ず当館に連れて来てもらっている。コマ回しは当館で覚えた、大好きですとニコニコ顔で話してくれました。6号館前の休憩所に置かれた感想ノートには来館した、子供たちの嬉しい声がいっぱい記されています。

感想ノートには楽しかったの声が…。

今月初めに神戸で全国の高等学校家庭科の先生方の大会があり、終了後いくつかのコースに分かれて見学会か実施されました。当館にも8月2日、約50名の先生方が来館下さいました。尾崎学芸員の「伝承玩具について」の講話と私が江戸のからくり玩具「隠れ屏風」をお教えしました。好評で皆様に大変喜ばれました。

さらに大きな出来事は、京都で8月5日~7日まで「国際パズル会議」が開催されましたが、前日の4日に世界14ヶ国から96名もの皆さんがバス3台で来館され、約2時間滞在されました。皆さんにも「隠れ屏風」をお教えし、今から200年以上も前から遊ばれてきた日本の伝統玩具だとお話しすると大きな歓声が上がりました。当館の展示内容にも大勢の皆さんが感動されたと聞きました。

国際パズル協会の皆さん


話は変わりますが昨日の朝日新聞「社説余滴」山口宏子論説委員の『民間劇場の公共性』を読み、大きな衝撃を受けました。要旨は「この十数年で全国に公立劇場が増えた。が、それより前から現代演劇を支えてきたのは、東京でも関西でも、民間の劇場で、東京・下北沢を演劇の町にしたのは民間の本多劇場。オーナーの本田さんは建設や運営に公金が投じられる公立劇場を「税金劇場」、民間は「納税する劇場」と呼ぶ。民間劇場はこれはと見込んだ劇団に長期間公演させたり、大胆な演目を世に問うたり、思い切った運営が出来る。その自由さが人を育て観客の視野を広げ、文化を創造する。民間劇場が担っている「公共性」にもっと注目したい。社会全体で応援する手立てがないか、考えてみたい」と記されていました。民間劇場を民間博物館と置き換えると同じことがいえます。文化を発展させるには、公立と民間とを区別するのではなく、所蔵する資料や活動内容を客観的に評価して、公平に社会が支援することが文化の振興や発展に繋がるのではないでしょうか。

過日、イギリスのオックスフォード大学日本図書館から、東京の古書店を通じて当館が関係する書籍の購入依頼がありました。『開館40周年記念誌』『私の玩具遍歴』『企画展記録集』『江戸と明治のちりめん細工』など、計10冊を古書店に届けました。船便で送られているので届くのは少し先ですが、なぜ購入下さったのかなど、到着する頃に問い合わせたいと考えています。イギリス在住の知人からは「由緒あるオックスフォード大学図書館に日本玩具博物館の書籍が収められることは、内容と価値が認められたことであり、誇りに思われるとよい。おめでとうございます。」と嬉しい便りが届きました。

(館長・井上重義)

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