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館長室から 2014.10.30

「世界クリスマス紀行展」が始まりました

秋も深まり、入り口の白い可憐なのじ菊の花が咲き始めました。間もなく11月です。仕事に追われていたこともあり、この館長室からの執筆が3カ月余りもストップしていました。何人かから、「館長さんはお元気ですか」とご心配をいただきました。


元気ですが、去る14日で6号館の「世界の国の人形展」が終わり、同日の夜から撤収作業が始まりました。私はその前日の13日より、6号館2階の収蔵庫から世界の人形を収める専用の段ボール箱を取り出す作業にかかりました。実は収蔵庫が満杯状態で通路にまで箱が積み上がり、中から目的の箱を取り出す作業が大変なのです。6号館2階東の講座室は収蔵庫から探し出した箱が項目ごとに積み上がり、ご覧になった方はその量の多さに驚かれると思います。「世界の国の人形」は1000体余り、5人のスタッフが2日間がかりで連日夜遅くまで作業にかかり、箱に収めました。それを収蔵庫に戻す作業が私の仕事です。それが終われば、次は世界のクリスマス関係の資料を出す作業とクリスマスツリーの組み立て作業です。クリスマス関係の資料箱は約90箱。そして箱を収蔵庫に戻すのですが、それが終わったのが20日。肉体労働が続きました。

毎回、世界のクリスマス展は尾崎学芸員の構想で展示作業が始まります。終了すると私は今回の展示が最高だと言ってスタッフに笑われますが、言葉通りの素晴らしい展示です。一つは毎回、新収蔵品が展示されるのと展示能力の向上で す。作品を単に一列に並べるのではなく、17ある枠が、ひと枠ごとに物語性のある展示になっているのです。例えば東欧のものはガラスや土製品ものが集まったコーナー、麦わらやきびがら細工や木の実の集まったコーナーに分かれています。

麦わら細工「ヒンメリ」(フィンランド)

それに展示ケース内だけでなく、6号館の天井からもクリスマスに因んだいろいろな飾りが吊り下げられ、部屋の雰囲気を盛り上げています。西の部屋はメキシコのピニャータ、デンマークの切り紙細工の飾り、ベルギーのレースの窓飾り、東の部屋は麦わら細工のハンガリーのキャンドルスタンド、部屋に吊るして飾ると清らかな空気で満たされるというフインランドの「ヒンメリ」がいくつも吊るされています。

麦わら細工のツリートップ(メキシコ)

新収蔵品はギリシャでクリスマスに飾られる模型の帆船の飾りです。昨年のクリスマス展をご覧になったギリシャから来館された方がギリシャではクリスマスに船の模型にライトを付けて飾る風習があると話され、珍しい風習ですねと申し上げたところ、わざわざギリシャから今春に届けて下さったのです。高さが65cm、巾70cmあります。

クリスマス・ボート(ギリシャ)

それに昨年暮れ、私はクリスマスの資料を収集するため、クリスマスツリー発祥の地とされる南フランスのストラスブールやコルマールなどと、隣接するドイツのエスリンゲンやシュトゥットガルトに出かけました。ガラス玉、麦わら、松笠、蜜ろう細工などの貴重なものを手に入れることができました。残念ながら麦わらのオーナメントを売る店は少なく、驚いたのはシュトゥットガルトの露店で売られていた小型のオーナメントが中国製でした。ただ大型のものは現地製と分かり、収集することができました。またドイツのマーケットでロシアの白樺のツリーの飾りや、メキシコの麦わらの天使を売る露店があり、貴重なものが入手できました。このような飾りは日本に輸入されることはなく、貴重な資料が入手できましたので、今回の展示で披露しています。

展示準備が終了後、11月10日が開館満40年になることから、記念誌の編集に追われていました。記念誌は開館20年と開館30年にも出版しましたが、今回はその2冊とこの10年間の記録集を合本したもので、当館の40年間の歩みと、当館を温かく見守りご支援いただいている諸先生方のお言葉で構成されています。この10年間の記録の写真はカラー印刷にしました。美しくよかったと思います。またこの10年間の企画展を集大成した『企画展の記録Ⅲ』(347頁)も思い切ってカラー写真にしました。11月10日前後の発行となります。次回のブログ「館長室らら」でお知らせいたします。

(館長・井上重義)

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