珍しい日本と世界の人形が一堂に | 日本玩具博物館

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館長室から 2014.07.09

珍しい日本と世界の人形が一堂に

梅雨のさなかです。各地から豪雨の被害も聞かれますが、大きな被害がないことを心から願っています。
当館の東側の水田は日毎に稲が成長し、庭には可愛いオハグロトンボが飛び交い始めました。館の周辺には色とりどりのムクゲの花が咲き始め、夏の到来を告げています。

当館の開館40周年を記念する、夏の企画展「日本の人形遊び」特別展「世界の国の人形」が1号館と6号館で始まりました。いずれもが収蔵資料による、人形をテーマにした展示です。その内容に来館者から感動の声が上がっています。
私自身、仕事の合間にできるだけ館内に入り、来館者と言葉を交わしたり、遊びのコーナでは子供たちにコマの回し方などを教えています。昨日来館された方は東京と名古屋から。いずれもがちりめん細工の愛好者でした。館内の雰囲気、展示品の多さ、すばらしい内容に、「来てよかった」と嬉しいお言葉を賜りました。

1号館で開催中の「日本の人形遊び」では、駄菓子屋で売られた懐かしい着せ替え遊び玩具のコーナがあります。A4ほどの大きさの紙に人形と衣装が着色印刷され、それを切り抜いて「きせかえごっこ」をして遊んだ、女の子用の玩具です。「水の江瀧子と山口淑子のきせかえ」「美智子さまきせかえ」「メイコきせかえ」など12点が展示されています。「美智子さまきせかえ」は、1959年に現在の美智子皇后が結婚された後に流行りました。皇后さまが着せ替え人形になっているのに驚かされますが、当時は皇后さまが子供たちにも親しまれてきたことがよく解ります。

美智子様着せ替え人形

駄菓子屋の玩具は収集家が少ないことに気付き、1970年頃から収集を始めたのです。時期に恵まれ、今ではこのような資料の収集は不可能に近いです。他にも「文化人形」「くるみちゃんのミルク人形」「リカちゃん」などに、懐かしいと熱心にご覧になる方が多いです。姉さま人形や首人形コーナに展示している昭和初期作のものは、遺るものが少ない貴重な資料です。尾崎清次コレクションからで、普段は収蔵していますので久しぶりの公開になりました。

くるみちゃんのミルクのみ人形

6号館の「世界の国の人形」展は、初めてご覧になる珍しい世界各国の人形の数々に皆さま驚かれています。世界101カ国から、展示総数は1050点にも上ります。世界の人形は2007年以来、7年ぶりの公開です。前回展示したものも多いのですが、新しい展示品も多く、その量と質に感動されています。世界の人形は他に、4号館2階の世界の玩具の常設展示コーナにも約500点が展示されており、合計すると総数で1500点もの世界各地の人形がご覧いただけます。
この世界の人形も収集を始めた時期がよかったのです。1977年からですが、交流のある海外の博物館からの寄贈や、海外にも何度も出かけて収集しました。さらには国内で海外の民芸品を輸入する多くの業者の協力を得て、貴重な資料の数々が入手できたのです。インド、インドネシア、ロシア(ソ連邦)、メキシコ、ペルー、アフリカ諸国など。しかし昨年11月の館長室NO88にも書きましたが、その業者の多くがここ数年来廃業され、入手不可能になったものが多いのです。それに現地でも作られなくなったものが多く、本当に収集時期に恵まれました。
私は他の博物館が収集対象にしていないものに的を絞って集めてきましたが、それが大きく輝き始めました。世界各国の観光土産品ではなく、地域の人々に愛されてきた人形たちが、これほどの数量、一堂に並ぶのは国内では例がないと思います。

ぜひこの機会に、日本と世界各地の珍しい人形たちとお出合い下さい。スタッフ一同、お待ち申し上げています。

(館長・井上重義)

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