日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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館長室から 2013.02.23

春を寿ぐ二つの特別展示

春がすぐそこまで来ているのに厳しい寒さが続きます。しかし、当館5号館前に広がる小さな庭には蝋梅やマンサクの花が 咲き、椿の花も咲き始めました。足元に目をやると福寿草が黄色い花をつけ、ユキワリイチゲの白い可憐な花も咲き始めました。まもなく当館は春爛漫の季節を迎えます。

本日から1号館で企画展「春を祝うイースターエッグ」が始まりました。さる19日夕刻からコマ展の撤収とイースターエッグ展の展示作業を始めましたが、作業は順調に進行し21日からご覧いただいていますが、正式には本日からオープンです。このイースターエッグ展は、尾崎学芸員が学芸室からでも詳しく述べていますが、彼女がいつの日かイースターエッグ展をと考えていたのが実現したのです。当館のコレクション形成はほとんどのものが、私が心に決めて集めたものが多いのですが、このイースターエッグ展は京都にお住まいで当館をご支援くださるSさんのご協力と尾崎学芸員が収集を担当した資料が中心です。イースターエッグは卵に彩色したり加工したもので、その数は約150点。作られたのが遠く離れた東欧が中心であり、正直なところ私自身もそれほど関心を持っていませんでした。しかし展示を見て感動しました。卵という小さな作品にそれぞれの国のお国柄や手仕事の文化が込められているからです。すばらしいとしか言いようがありません。来館された方も大勢が立ち止まり熱心に見入っておられます。

ルーマニア・ブコナビ地方のイースターエッグ

わが国ではなじみが薄いイースターエッグですが、すべて卵の中身が抜かれて彩色されています。私もそうでしたが、恐らくご覧になった誰もが、どうして卵の中身を抜くのだろうと不思議に思われると思います。その中身を抜く手法などが会場では詳細に説明されています。展示をご覧いただければイースターエッグへの理解が深まること間違いなしと思いました。
展示説明のパネルは、公立館では恐らくほとんどが業者に委託して製作されていると思うのですが、当館では展示説明のパネルはすべてが尾崎学芸員の手作りです。わかりやすい心のこもった展示手法に、私だけでなく、ご覧になる皆さまの心をもとらえるでしょう。

尾崎学芸員手作りのパネル

イースターエッグ展が始まり、当館の今春の企画展と特別展が出揃いました。いずれもが春を寿ぐ催しであり、当館でないと見ることができない資料の展示です。イースターエッグ展は恐らく国内の博物館施設としても珍しい催しではないかと思います。特別展の「雛まつり~御殿雛の世界~」も、江戸期から昭和中期までの御殿飾りが16組も並ぶのは国内では例がないと思います。5号館のランプの家にも大正期に姫路で飾られた押絵雛の御殿飾りと昭和末期の豪華な京雛の段飾り、それにちりめん細工の傘飾りが並びました。

ランプの家に展示中の雛人形とちりめん細工の傘飾り・つるし飾り

当館は外国からの来館者が再三あり、そのため、英語版と中国語版のパンフレットを作っていますが、この度、韓国語版のパンフレットを製作しました。これまでのところ韓国からの来館者は目立たないのですが、来られていても日本人と変わらぬ体裁なので気がつかないのかもわかりません。先日も5号館で声をかけた来館者が韓国からの人でした。当館が海外からの来館者に喜ばれるのは展示内容だけでなく、その光景と白壁土蔵造りの日本らしいたたずまいが心をとらえるからではないでしょうか。(井上重義)

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