日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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館長室から 2012.06.09

幻の神戸人形展が始まりました

当館の東に広がる田んぼの田植えも終わり、夜には蛍が飛び交う季節になりました。館長室と学芸室は3号館の遊びのコーナーの北側に隣接し、窓の外には水田が 広がります。時としては、うぐいすの鳴き声も聞こえてのどかです。

雨にぬれて美しい額アジサイ(3号館の出口)

6号館前の休憩所に置かれたノートに、来館者の感想が記されていました。 「雨の日の玩具博物館はステキでした。湿った空気、雨にぬれた庭の木々や草花。ほーとよみがえるひとときを有り難うございました。神戸人形、武者人形、お雛様も楽しく、美しく、立派で、有り難うございました。」
「むかしは、木のおもちゃがたくさんあるということをしりました。見たことのあるおもちゃと見たことのないおもちゃがありました。持っているおもちゃと持っていないおもちゃがありました。はじめて見たにんぎょうや、はじめて見たおもちゃがたくさんありました。知らないことがいっぱいあったけど、それがここで学べてうれしかったです。とても楽しかったです。はくぶつかんはおもしろいところや、たのしいところが、いっぱいありました。でもちょっとこわいところもありました。昔のおもちゃで遊べてうれしかったです。またきたいなとおもいました。」
来館者が「ワクワク」「ドキドキ」、心をときめかしてくださる博物館になりたいと努力してきたのですが、こんな声を知ると嬉しくなります。

本日から1号館では「幻の神戸人形展」が始まりました。明治中期から現代までの神戸人形が約350点も並びましたが、そのうち200点が明治中期から昭和初期の貴重品です。文字通り、幻の神戸人形たちが一堂に並びました。当館でもこれほどの質と量の神戸人形を公開するのは初めてであり、国内でこれほどの内容を持った神戸人形展が開催されたことは過去にはなかったと思います。この展覧会もきっと来館者の心をワクワクさせると思います。

野口百鬼堂のおばけ人形 台底に商標が見える↓
野口百鬼堂の商標  

当館では2009年に、夏の企画展として「神戸人形と世界のからくりおもちゃ」を開催しましたが、その時の神戸人形の展示は総数で90点ほどでした。当館の神戸人形コレクションは長年の収集の努力もあって現在は収蔵数が約800点、国内では最高のコレクションになっています。収集は長年の努力とチャンスに恵まれた結果です。
今回の見所は、神戸人形の創始者とされる野口百鬼堂の作品が50点も並び、百鬼堂の商標のついた作品が3点、それにネジを巻くと自動で動く、国内でも数点しか確認されていないという貴重品が2点も展示されていることです。

ゼンマイ仕掛けの西瓜喰い(野口百鬼堂製)

これまでも繰り返し申し上げてきましたが、博物館にとって大切なのは、資料を体系的に収集保存し、特色あるコレクションを構築することにあると考えて努力してきました。結果、当館でないと見ることが出来ないいくつものコレクション群の構築に成功し、それが全国から人を呼び寄せる力になっています。前回のちりめん細工展も遠く東北や関東からも大勢の皆様がご来館くださいました。確かに入館者数はこの10年間で半数近くに減少し昨年は年間入館者が2万人になりましたが、経済波及効果はそれに反比例して大きく高まっていることは確かです。
入館者減については、博物館離れ、地域力の低下、交通アクセスの悪化、公立館との競合など、さまざまな要因が複合し、厳しい状況下にあります。

この13日(水)に東京の文部科学省講堂で平成24年度全国博物館長会議が開催され、全国から公立と私立の館長が400人ほど参加されます。基調講演の「これからの博物館」に続き、第1部が「災害と博物館」、第2部が「館長のリーダーシップ」で事例発表です。第2部では全国から2人の館長が選ばれ発表することになっていますが、その一人に私が選ばれ、文部科学省から依頼がありました。もう一人は三重県立博物館の布谷和夫館長で、長年、滋賀県立琵琶湖博物館学芸員として活躍されてきた方です。
なぜ私が選ばれたのか不思議で、まさに青天の霹靂ですが、名誉なことだとお引き受けしました。当館のこれまでの活動やこれからの展望などについて約25分、パワーポイントを使って発表いたします。(井上重義)

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