日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

Language

ブログ blog

館長室から 2009.07.10

「神戸人形と世界のからくり玩具展」によせて

雨続きの毎日ですが、梅雨明けも間近になりました。緑に覆われた当館の庭には、おはぐろトンボが姿を見せ優雅に飛び交っています。
今年、当館は開館35周年を迎えましたが、それを記念して当館の誇るユニークなコレクションの数々を1号館(企画展)と6号館(特別展)で順次公開しています。神戸人形コレクションもそのひとつです。

当館の開館は昭和49年ですが、私が収集を始めたのは昭和38年(24歳)からで、以来46年の歳月が流れました。収集方針は基本的には変わらず、評価されずに忘れられ消えようとする子どもや女性の資料を集大成して後世に伝えることにあります。結果として8万点を越える貴重な資料を収集し、全国でも類を見ない数々のコレクション群を構築しました。また当館が収集するだけでなく琉球玩具や大正から昭和初期の玩具の尾崎清次コレクションや虎玩具では日本一と称される長尾善三コレクションなど、貴重なコレクションの数々の寄贈も受けました。

神戸人形は、明治時代の野口百鬼堂の作から現代に至る150点を所蔵していますが、国内の博物館施設では類のないコレクションです。神戸人形は1点ものの手づくり作品であり、動かして遊ばれたことや、明治から昭和初期の作品の多くが神戸を訪れた外国船観光客が持ち帰ったことから、国内に残る作品は少なく、コレクション形成は困難でした。幸いなことに平成12年にニューヨーク在住のコレクターから明治から昭和初期の神戸人形43点の譲渡を受け、さらには神戸人形の4代目作者として活躍され、平成元年に没された数岡雅敦さんの遺族より約60点の作品を譲り受けるなど、二度にわたる購入により、大きなコレクションが形成されたのです。過去に作られた数百種に上る神戸人形の全体から見ると微々たるコレクションですが、初代とされる野口百鬼堂から4代目の数岡雅敦までの作品が揃い、神戸人形の全貌を掴むことができる楽しい企画展です。

神戸人形は見るだけでも楽しいのですが、奇知に富むその動作は感動ものです。そのため特製の大型の神戸人形を会場に配置し、自由に動かして楽しんでいただけるようにしています。さらに夏休み中の日曜日とお盆には、各日の午後1時30分から展示ケースの中から神戸人形を取り出して、その面白い動きを紹介する実演解説会も開催します。

1号館の「神戸人形と世界のからくり玩具展」と6号館の「なつかしのおもちゃ博覧会」。この夏のふたつの特別展は、皆さまを懐かしさと感動の世界に誘う、当館ならではの見逃せない楽しい展覧会です。ぜひお誘いあわせてご来館下さい。(井上重義)

バックナンバー

年度別のブログ一覧をご覧いただけます。