暖かい春になりますように…。  | 日本玩具博物館

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学芸室から 2011.03.25

暖かい春になりますように…。 

この度の大地震、大津波、原子力発電所の災害事故によって被災された方々、そして辛い思いをなさっておられるすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地から離れた場所で恵まれた暮らしを営む私たちには、義捐金をお送りしたり、日常の品物をお送りしたりする以外にどんなことができるだろうか…、きっと長くなるだろう復興への歩みの中で、玩具博物館としての専門性によって、何かお手伝いできることがあるに違いない…、スタッフと毎日のようにそんな話をしています。
庭に出ると、春の花が、木の枝に下草の上にキラキラと開花をはじめ、メジロやウグイスが椿の枝を楽しげに飛び交う穏やかな三月下旬です。

そんな私たちの博物館へ、三々五々、ご家族連れでお越しになられる被災地の方々の姿があります。少しお声をおかけしますと、宮城県や福島県で被災され、関西のご親戚宅に一時的に身を寄せておられること、大変な体験をなさったことなどを、それぞれにぽつりぽつりと話して下さいます。小さな子どもたちは、たくさんの木製玩具が並ぶプレイコーナーで、長い時間楽しげに遊び、それを見守る親御さんたちも、ひとときほっとした表情で過ごしておられるように思われます。
「穏やかな時間を過ごせて緊張が解けました」
「子どもたちの笑い声が聞こえ、雛飾りがあり、黄色い花の咲く庭をみていると、気持ちが落ち着きますね」
先日、ご来館下さった仙台からのお客さまは、らんぷの家の縁側でそんなふうに話して下さいました。
心身に重いものを抱えてご来館下さる方々に、せめて心からくつろいで過ごしていただけるよう、私たちは心を尽してお迎えしたいと思っています。どうか、早く、暖かい本物の春がやってきますように…。

(学芸員・尾崎織女)

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