日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2010.04.14

ただいま、展示替え作業中!

爛漫の好季節、皆さまにはお元気でお過ごしでしょうか。
花を終えたソメイヨシノがかわいい葉っぱを用意し始めたのと入れ替わりに、玩具博物館の庭では、いよいよ八重桜が満開を迎えました。老木の域にさしかかったせいでしょうか、いっときに比べて花の量は少なくなりましたが、その分、樹木が風情を増して、全体に優美な八重桜です。 

館の庭の八重桜~4号館2階の窓から

今春は、静岡県三島市の佐野美術館で開催された特別展「ちりめん細工の世界~ぬくもりの布あそび~」に出品協力し、私たちにとってはかなり大きな展覧会を行っていたのですが、おかげさまで、39日間の会期に1万2千人近いご来場者を迎え、好評のうちに4月5日、閉幕いたしました。撤収作業にかけて、3日間ほど三島へ出かけていました。佐野美術館のスタッフにお話をお聞きすると、会期中、2度、3度と脚を運ばれた方も少なくなかったそうで、私たちが訪ねた最終日の会場では、常に歓声ともため息ともつかぬ声々が渦をなし、そんな中から、「わくわくして帰れないわね」とか「何度も観に来たいわ」とか、感動の話し声がたくさん聞かれました。ご来場下さった皆様に心よりお礼申し上げます。

佐野美術館のちりめん細工展第一展示室の様子
展示室には続々と来館者が…。
オープンの日の講座の様子


こうして、三島の佐野美術館で当館のちりめん細工と出合っていただき、「姫路の日本玩具博物館の方へも一度、訪ねてみたい」と考えて下さる方々にとって、当館は、「ちりめん細工の館」なのかもしれません。姫路へ行けば、佐野美術館では見られなかった作品に出合えるかもしれない…そんなお気持ちにお応えしたくて、4月24日から、初夏の特別展として「子どもの晴れ着とちりめん細工」展を開催することにいたしました。この春、新たに収蔵したちりめん細工の古作品や佐野美術館では展示できなかった、乳幼児の祝い着などを加え、“子育てのお細工物”“暮らしの中の美意識”をテーマに、当館独自の展示を行いたいと思います。

休館日の今日は、館長、学芸スタッフはもちろん、遠方からの「助っ人」(また、いつかご紹介させていただきます)も加わって、雛人形の収蔵作業を行っています。収蔵のための梱包は、雛人形の保存にとって非常に大切な作業です。時代のひずみによって、形が崩れ、衣装に無数の皴がついてしまった雛人形も、正しい梱包によって少しずつ、もとの形を取り戻していきます。

雛人形梱包の様子

肩のラインを整え、薄用紙の詰め物をし、紐先や袖裾などの折れや皴、ゆがみを正していくように、丁寧に梱包を行います。そうすれば、次の春、桐箱を開けたときに、再び登場してくる雛人形は、少しだけ、若返ってみえるのです。毎年、大切に飾っては仕舞う……この行為は、末永い保存において、仕舞いっぱなしに置くことよりもずっと意味のあることだと思います。

さて、私たちの雛人形展、収蔵時には、ちょっとした遊び心で「儀式」を行います。それは――、まっすぐ正面を向いて、親王台、雛台に納まっていた内裏さまとお雛さまをしばしの時間、向かい合わせにすること。古雛の場合、内裏さまとお雛さまは、別々の桐箱に収納してしまいますので、若いご夫婦が寂しく離れ離れになってしまうのです。来春の再会までしばしのお別れ……その名残に…。

収蔵前の儀式


今週末には、「子どもの晴れ着とちりめん細工」の準備を終え、来週は、1号館のふるさとの雛人形」「ふるさとの武者人形」に替えていく作業を行います。二つの展示は4月24日、同時オープンを予定しています。どちらも、子どもたちの無事な成長と健康を祈って作られた家庭的な生活文化のカタチをご紹介する展覧会です。光あふれるこの季節、子どもの日も近づいてきますので、ぜひ、ご家族お揃いで「ちりめん細工の館」「人形の館」をお訪ねいただきたいと思います。(尾崎織女)

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