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日本絹の里「子どもの晴れ着とちりめん細工展」オープン!
*梅雨入りしたかと思うような曇り空が続く今日この頃、博物館の庭では明るい黄色を輝かせて、未央柳(ビヨウヤナギ)が咲き始めました。中国の玄宗皇帝は、楊貴妃の美しい眉を未央宮殿の柳に譬えたとか。そんな故事を名にし負う未央柳が満開になると、チカ、チカと源氏蛍が水田の用水路から飛び出してくる季節も目の前です。
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*忙しさに取り紛れ、「学芸室から」も久しぶりの更新です。新型インフルエンザ騒ぎで、来館者が減少してしまった5月でした が、播州ではすっかり落ち着きを取り戻しましたので、水田に合歓の木の花が映え、蛙の声が高らかになる季節の風情を探しに、田舎町へと足をお運び下さい。
*さて、去る5月中旬は、井上館長と、群馬県の博物館施設「日本絹の里」(高崎市)へと出張し、絹の里スタッフとともに、企画展「子どもの晴れ着とちりめん細工展」の展示作業を行いました。初宮参りや初節句、祭礼時などに着用された一つ身の祝い着に、子育ての場面で登場するちりめん細工作品を関連付ける展示は初めての試み。館内でも一度も行なったことのない企画でしたので、楽しみ半分、不安も半分の準備作業でしたが、美しく華やかな会場となり、多くの方々にご覧いただきたい内容になったと思っています。
*オープンの日には晴れ着の細部に施された魔除けや招福の造形について、またちりめん細工のデザインとの関係性について解説会を持たせていただきました。ご来場の皆さまにはそれは熱心に耳を傾け、また展示品に温かなまなざしをお送りいただきました。展示をもってこさせていただいて本当によかったと館長とうれしく話しあったことです。
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*晴れ着の色や形、デザイン(意匠)を通して、親たちの子どもの成長を願う心や、日本の伝統的美意識にも触れていただければと思います。日本絹の里の「子どもの晴れ着とちりめん細工展」は7月13日までです。関東地方にお住いの方々にはぜひ、お尋ね下さいませ。
(学芸員・尾崎織女)
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