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blog端午の節句飾り2017
■黄金週間が終わり、皆様には忙しい日常へと戻られたことでしょう。玩具博物館では家族連れでご来館下さる皆様と一緒に賑やかで楽しい黄金の日々でした。
■黄金週間の連休には、館内でも“おもちゃ作りたいひと、この指とまれ!”とお声がけをして、6号館前のテラスで“ひらひら舞う蝶”作りを行いました。思い思いの色画用紙を選び、模様付けして、動く蝶を仕立てた後、ひらひらと羽根を動かしながら、館の中庭を舞わせて遊ぶワークショップです。新緑の庭に色とりどりの蝶々が舞い、とても愛らしい風景を皆で作りました。
■5月5日のこどもの日には、6号館の「端午の節句展」を目指してこられる方々も多くあることから、今年も玄関口の屋根に、端午の魔除けとして平安時代から伝承される“菖蒲葺き(葉菖蒲と蓬を束ねて等間隔に屋根におきます)”をほどこして、楽しんでいただきました。
■今年の端午の節句展は、幕末から昭和初期までの甲冑飾り(冑と鎧を中心に手甲や佩楯、脛当や毛沓などを全て具えた“具足”を鎧櫃の上に飾り付けるものをさしています)をずらりと30組並べた非常に勇ましい展示で、特に男性諸氏が興味津々のまなざしを向けられます。その展示室の雰囲気をキリッと引き締めながらも和らげる布の「幕」を張りたく思い、それらを玩具博物館の活動を下支えしてくれている自慢 のバックヤード “ちりめん部屋”のスタッフにお願いしました。
■“ちりめん部屋”では、昔ながらの二越縮緬や鬼縮緬に独自の文様を染色した数々の反物をあやつり、全国で展開するちりめん細工教室のための材料セットを日々、作っています。――和裁の腕がたつスタッフを中心に乳付けに縫い取り文様が入った素敵な幕が出来上がりました。中央の結び紐も、草木染めの組み紐をほどいて房を作り、総角(あげまき)に結んだものです。
■展示ケース上方からその江戸紫色の縮緬幕をさげると、明治時代の甲冑飾りが引き締まって見えます。また神聖な生麻のイメージでとりつけた生成色の幕は昭和初期の甲冑飾り一式を清々しく見せてくれます。
(学芸員・尾崎織女)
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