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学芸室から 2008.12.10

フィンランドのクリスマス飾り*ヒンメリ 

「ヒンメリ」と呼ばれるクリスマス飾りをご存知でしょうか?
<今月のおもちゃ12月号>で紹介しておりますように、「ヒンメリ」は、12世紀からの歴史を持つフィンランド伝統のクリスマス装飾です。
フィンランドでは、ヨウル (=クリスマス)を待つ季節、家族みんなで麦わらを切り、針に糸を通して大小の幾何学的な形をつなぐと、それらを組み合わせて、ひとつの壮麗な作品を仕上げていきます。そんなヒンメリには、色々なデザインが見られ、中でも、天井からつりさげるシャンデリア型モビールは、とても豪華です。
「ヒンメリ」という言葉は、美しく心惹かれる響きをもっていますが、これはスウェーデン語の「ヒンメル~Himmel=空」に由来するといいます。ゆらゆら揺れる麦わらのモビールには、天空からもたらされる風の精霊が宿り、飾られる空間を清らかな空気で満たすものとされています。

さて、このヒンメリを最初に見たのは、10年ほど前のことです。兵庫県城崎町の伝統工芸「麦わら細工」を伝承する皆さんが研修旅行として北欧各国を訪ねられた折、各地の麦わら細工の色々をカメラに収めて帰国されました。見せていただいたその写真帳の中に、フィンランドの「ヒンメリ」がありました。それは、立方体が複雑に組み合わされた暗号のような造形で、素朴な民家の室内に飾られた様子が強く印象に残りました。その時から、実物を一度、見たいものだと思っていたのでした。

昨年から今年にかけ、当館友の会の笹部いく子さんのご紹介によって、初めていくつかの小さなヒンメリを収集することがかないましたが、たくさんの立方体を組み合わせて作り上げる大きな作品は、なかなか入手が困難です。そんな中、ありがたいことに、笹部さんは、先ごろ、フィンランドの麦わらに、ヒンメリ作り専用の針や糸などをつけて、私たちにプレゼントして下さいました。「学芸室の皆さんで仕事の合間に、作ってみて下さい」と。

『ヒンメリ』(おおくぼともこ著/プチグラパブリッシング刊/2007)と「ヒンメリを飾る少女」(1940年のクリスマス(ヨウル)カード)

笹部さんにいただいた作り方説明書や、昨年、プチグラパブリッシングから発行された『ヒンメリHIMMELI』(おおくぼともこ著)を参考にしながら、学芸室の笹竹亜子と一緒に、ヒンメリ作りに挑戦してみました。夢中になり過ぎて、途中から経過を撮影するのを忘れてしまいましたが、製作の様子をご覧下さい。

クリスマス展会場に飾ったヒンメリ

空気が動くと八面体がそれぞれに動き、見つめるものの心にすがすがしい風が吹くようです。6号館のクリスマス展会場でご披露しておりますので、ぜひ、ご来場の上、ヒンメリが揺れ動く様をご覧下さいませ。
笹部いく子さんと、フィンランドの麦わらをもたらして下さった高原恵子さん&夢子さんに心から感謝いたします。(尾崎織女)


<後記> 
後日、おおくぼともこさんの『ヒンメリ』のなかから、もうひとつ、デザインの異なる作品を作りました。笹部さんからいただいたフィンランドのライ麦わらは使い切ってしまったので、手元にあったドイツの小麦わらをつなぎあわせ、タッセルには赤い日本製の毛糸で。---タッセルは笹竹学芸員がきれいに作ってくれました。手分けして皆で作ると本当に楽しいですね! 

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