日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2017.09.07

<KIITO便りNo.5> 8月の「TOY & DOLL COLLECTION」 

じりじりと照り付けていた太陽もやわらかくなり,すじ雲やうろこ雲が流れる空がぐーんと高く感じるようになりました。今年も暑い暑い夏でしたが,おかげさまで8月も多くの方に「TOY & DOLL COLLECTION」へお越しいただきました。おもちゃ文化を通して,歴史や文化を知ったり,身近な遊びを見直したりする中で,知的好奇心が育まれ,博物館ファンが1人でも増えていたら嬉しいな~と思います。


日本玩具博物館の夏休みおもしろおもちゃづくり

7月の終わりから8月にかけて姫路の本館でも人気の「松風ごまとかくれ屏風」,「水車ボート」,「風車小屋」,「ご来迎」と,4つのおもちゃづくり教室を開催しました。それぞれのおもちゃの由来や歴史についてのお話も織り交ぜながら,手作りおもちゃの楽しみをお伝えしました。夏休みの自由研究や工作の宿題に!と子どもたちや家族での参加が目立ちましたが,婦人会のおばさま方や保育士さん,学童保育の指導員さん,手作り好きな方々など,大人の方々も多く参加してくださいました。折ったり切ったり,貼ったりとめたり,装飾したりとひとつひとつの工程を楽しみながらも真剣にすすめていく参加者のみなさん。子どもたちが思い描くボートや風車小屋の理想のカタチに近づくようにと,親御さんたちの奮闘する姿もありました(笑)


展示を楽しみ,遊びも楽しみ,夏休みの成果に!

夏の企画展「神戸人形~ミナトマチ神戸のからくり人形」コーナーには,神戸人形のワークシートを設置しています。展示を見ながらクイズに答え,神戸人形の120年の歴史と作風をたどっていくことができるようになっています。
とくにギャラリートークを聞いていただくと,クイズの答えにも触れていますので,8月はワークシート片手にギャラリートークを一生懸命に聞く小学生の姿も見られました。また,子どもたちの想像力溢れる神戸人形がぞくぞくと集まっています!ワークシートの最後には,オリジナルの神戸人形を描いていただけます。描いていただいたものを,投稿していただくと,もしかしたら,神戸人形作家の吉田太郎氏に新作神戸人形として作っていただけるかもしれません!


遊びのコーナーでは,けん玉やコマ回しに挑戦する子どもたちのも。子どもたちにはできるまで何度も挑戦し,「できた!」と,達成感を味わってほしいなと思い,わたしはできるだけ手伝わず,それぞれの子どもたちの方法を見ながら,アドバイスやコツを教えるようにしてます。どちらも力加減と身体の使い方がポイントです!子どもたちと一緒になってコマを回す少年のような井上館長の姿もありました。


8月30日には,小学校4年生の男の子が,「貝合わせで神戸を案内」という立派な自由研究の成果を見せにきてくれました!春の企画展「雛飾りと端午の節句飾り」での展示解説会で貝合わせのワークショップに興味を持ってくれたそうで
す。写真付きの丁寧な遊び方や歴史に加えて,実際に潮干狩りで獲ってきた貝を磨き,神戸の風物をモチーフにした自作の合わせ貝も作っていました。「貝に絵を描くのが小さくて難しかった~」と言いながらひとつひとつ見せてくれました。

「TOY & DOLL COLLECTION」がそれぞれの子どもたちにとって,いつかの夏の記憶として胸に刻まれると嬉しいです。

(TOY&DOLL COLLECTION会場担当学芸員・原田悠里)

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