日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2006.06.11

ターニャさんの仕事 

インターンシップで来日中のアメリカ人、ターニャ・バンバーガー(Tonya Bamberger)さんが、当館でのプログラムを終え、次の研修地、埼玉県草加市へ向かわれます。
ケント州立大学大学院(オハイオ州)で日英翻訳を専攻しておられるターニャさんから、「将来の仕事を見据えて、日本玩具博物館の展示解説などを翻訳したい」とのお申し出を受けたのが4月下旬のこと。ターニャさんは、2002年8月から2005年3月にかけて、当館にほど近い姫路市立香寺中学校で英語教師(ALT)として働かれた経験があり、その2年半ほどの間に足繁く当館へ通って下さったというご縁がありました。英文パンフレットの刷新を考えていた当館にとって、彼女の申し込みは、まさにグッドタイミング! 5月29日から2週間という短期でしたが、玩具博物館ホームページの英語版の見直し、パンフレットの英訳、それから常設展示館(2、3、4号館)のパネル翻訳,、というボリュームのある仕事内容を懸命にこなしていただきました。

彼女が日本文化に興味をもたれた契機は、高校時代にアメリカで放映されていた『セーラームーン』などの日本アニメーションだったそうです。「朝5時に起きて、テレビでアニメを観てから登校する毎日、日本への興味は日増しに高まり、来日への夢は止まらなくなった」と。「日本のアニメにおける繊細な絵の描き方、人物の動きのリアルさ、ストーリー展開、人間関係のとり方、それらすべてが日本的だと感じた」そうです。能や狂言、歌舞伎や文楽、茶道や華道・・・・・・日本文化といえば、私たちは、そんなクラシックなものばかりを連想しますが、今、現実に、世界の国々の子どもたちに影響を与えている日本文化は「アニメ」だったりするのです。

<ターニャさんからのメッセージ>
 “Hello everyone! I am glad to be back to Kodera after a one-year break. I am enjoying my studies at Kent State University very much and I will graduate in Fall 2007.
Most of the graduate students in my program at the university look for internships to do over the summer. I wondered what a good job would be. Then I remembered the Japan Toy Museum.
I went to the Japan Toy Museum about 7 times over the course of my 2 1/2 year residence in Kodera as an ALT. I took my American friends and family, who came to visit me in Japan, to the museum and Mr. Inoue and his staff were very nice to us. My friends and family enjoyed visiting the unique museum but they cannot read Japanese so they did not understand where the toys come from or what their history is.
Remembering this, I sent and email to Mr. Inoue asking him if he would like me to have me translate the museum’s information into English, and the rest is history. It is my second day here and I am enjoying this type of work very much. I hope that more foreign people will come to visit the Japan Toy Museum in the future and will learn more about folk toys and their importance.
If you see me riding around Kodera on a bicycle, feel free to say hello and we can talk. Kodera will always be a huge part of my life and, even though I can only stay here for a couple of weeks, I know that I will be back sooner or later.”

ターニャさんを囲んでランプの家で夕食会

さて、英訳は、日本文で書いたパネル原稿を渡し、そこに登場する玩具の実物を見ながら、その背景を説明し、それぞれの意味あいを知っていただきながらの作業で、ターニャさんにとってはもちろん、私たちにとっても、小さな玩具の一つ一つが、作られた時代の文化を一身に背負った存在であることを確認し合う意味深い時間でした。「犬張り子」「赤べこ」「神輿の玩具」「弾き猿」・・・・・・例えば、皆さんなら、こうした郷土玩具の一つ一つをどう英訳されるでしょうか。

ターニャさんが誠心誠意、力を尽くして英訳して下さった文章を、さらにじっくりと見直す作業を経て、私たちは英文パンフレットやリーフレットを作成し、また、今年度中に予定している常設展示館の展示内容のリニューアルにあたっては、英文のパネルを要所要所に加えていきたいと考えています。当館を訪ねて下さる世界の若者の一人が、「お雛さま」や「ちりめん細工」などを観て、日本文化に惚れ込んで下さるように、私たちの展示が一人の人生の扉を開く鍵となれるように、……そんな夢をもって臨みたいと思います。

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