ハンリップ玩具博物館からのお客さま | 日本玩具博物館

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学芸室から 2006.05.29

ハンリップ玩具博物館からのお客さま

五月下旬の雨降りの一日、韓国から二人のお客様を迎えました。ハンリップトイスという、乳幼児関連の玩具や図書などを扱う教育玩具メーカーのソオ・ジンホ氏とイ・ヨングン氏。彼らは、韓国に初めて設置される玩具博物館の運営担当者で、来春のオープンに向けて、日本国内の玩具博物館などの施設を見学するために来日されました。ソオさんたちの玩具博物館は京畿道坡州・ヘイリの町(ソウル郊外)に建設される体験型文化施設群の一角をしめ、展示館、体験教室、劇場などを併せもっています。展示館では、国内外の玩具とその変遷を追う内容を目指しておられ、それに向けての収集活動やノウハウの蓄積に積極的に取り組まれているご様子です。玩具を専門に扱う企業の責任として、玩具の歴史を知り、人間の成長に役割を果たす玩具について探求し、みつけたものを未来につないでいきたい……そんな役割を果たせる博物館をつくりたいという思いが、お二人から強く感じられました。

イ・ヨングン氏(左)とソオ・ジンホ氏(右)

昨日、ソオさんよりうれしいお手紙が届きました。
「………書面で無理なお願いをしたにもかかわらず、思いやりのあるおもてなしと詳細な説明を受け、私どもは多くのことを学び、気持ちのよい日本出張になりました。他の言語、他の習慣をもつ人々が、一つの共通の目的によって巡り会い、暖かい心でお互いを共感しあい、また気配りすることの素晴らしさを実感できました。今後とも機会をとらえて、交流を続けていきましょう。私どもも、日本玩具博物館のように、訪れた人の心が暖かくなるような博物館をつくれるよう努力したいと思います。………」

既に当館と交流のある上海児童博物館や、ソオさんたちのハンリップ玩具博物館以外には、現在のところ、アジアの国々に玩具専門の博物館は見当たりません。けれども、今後はアジア州にも少しずつ玩具や子ども文化に関わる博物館が作られていくのではないでしょうか。私たちは、いつもどんな時でも交流の手を世界にむけて伸ばしていたいと思っています。

(学芸員・尾崎織女)


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