「七夕人形」 | 日本玩具博物館

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企画展

夏のテーマ展 「七夕人形」

会期
2000年6月17日(土) 2000年8月20日(日)
会場
2号館 L字コーナー

「字が上手になりますように……お裁縫が上達しますように」。七夕、短冊にさまざまな願い事を書いて笹竹につるし、屋外に立てて天の川をのぞむ習俗は、日本全国にいきわたっています。七夕の棚に胡瓜や茄子の動物を供え、子どもたちが天の川で巡りあう彦星と織姫星を探す風景は、かつての日本の夏を特徴づけていました。

七夕の習俗は中国から伝来し、万葉の昔から日本人に親しまれてきましたが、千年をこえる歴史の中で、祖霊祭としての「盆行事」や初秋における「豊作祈願」などと結びついて日本的な夏祭りへと発展したといわれています。いつ七夕を祝うかや行事のあり方には地域による違いが見られ、ささげ物のあつかい方やその種類も一様ではありません。

本展でご紹介するのは、七夕飾りの中で地域的な特徴をもつ「七夕人形」です。七夕人形は、軒につるしたり笹竹に飾ったりする男女一対の素朴な人形ですが、現在、長野県松本市や兵庫県姫路市などでその伝承が確認されている以外、他ではあまり残されていない七夕飾りです。今回は、これらの人形を中心に展示し、地域の伝える七夕の風習と七夕人形の意味について約30組の資料によりご紹介していきます。


松本の七夕人形】………木や紙で作られた男女一対の人形は、子どもが初めて七夕を迎える祝いとして親戚や近所から贈られ、着物を着せると風の通る軒に吊るし飾られていました。厄払いの願いを込めて。江戸末から昭和にかけての資料数組を展示します。

松本の七夕人形(長野県松本市/昭和中期)

姫路の七夕人形】………姫路では市川が播磨灘にそそぐ地方に「七夕さんの着物」と呼ぶ男女一対の素朴な紙人形が伝わっています。笹竹に吊るしたり、竹ざおを人形の袖に通したりして飾られ、子どもが着物で不自由しないようにという願いが込められます。大正から昭和30年代の資料数組を展示します。また、同じ市川上流の生野地方で見つかった七夕人形もご覧いただきます。

大塩の七夕人形(七夕さんの着物)(兵庫県姫路市/昭和中期)

【その他の七夕人形】………着物が増えることを願って子どもが縫って作った京都の「紙衣の七夕さん」や神戸市で大正末期に収集された七夕人形も合わせてご紹介します。 

京都の七夕さん(京都府京都市/平成10年代復刻版を再現)
神戸の七夕人形(七夕紙衣)(兵庫県神戸市/大正末期)


<会期中のワークショップ>
播磨の七夕伝承会*「七夕舟」と「七夕人形(七夕さんの着物)」
  ・日時=8月5日(土) 10:00~12:00
  ・会場=6号館2階講座室
  ・指導=当館学芸員・尾崎織女&魚住知美

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同時開催の企画展 → 夏の企画展*2000「神戸人形と世界のからくりおもちゃ」