展示・イベント案内
exhibition夏の企画展 「神戸人形と世界のからくりおもちゃ」
- 会期
- 2000年7月1日(土) 2000年9月5日(火)
- 会場
- 1号館
●神戸人形は、ミナト町・神戸が生み育てたからくり人形です。手のひらにのるほどの大きさで、台座の側面に付いたつまみを前後に動かすと、台の上の人形が首をふり、手を動かして西瓜を食べたり、三味線を弾いたり、酒を飲んだり、様々なしぐさをします。それは滑稽で奇知にとんだ人形です。明治時代、このからくり人形が神戸で作られるようになると、楽しい動作とひょうきんな表情が人気を呼びました。ただ、これらが高価だったこともあって日本人よりむしろ外国人観光客に買い求められ、異国趣味を満たす日本土産として、その多くは海外へ運ばれました。今春、アメリカのコレクターの手元にあった神戸人形43点が当館へ里帰り。中には創始者と目される「野口百鬼堂」の作品も数多く含まれ、国内にはあまり残されていないだけに貴重です。これを記念して神戸人形約100年の歴史をたどる展覧会を企画しました。
●本展では、明治中頃の創始期、明治末から昭和初期にいたる興隆期、戦後の復興期にわけ、100点をこえる実物資料によりその種類の豊富さと、作者の自己表現とも言える人形の特異な表情をご紹介します。なお、展示は、里帰りした43点、当館が既に所蔵している作品、さらに同人形研究家であり収集家の永田清氏(神戸市在住)が所蔵される作品によって構成します。
●あわせて世界各地に見られる素朴なからくり玩具を、オモリの仕掛け玩具、糸の仕掛け玩具、車とクランクの仕掛け玩具などのグルーピングで展示し、それぞれの特徴を探ります。
●展示総数350点。体験コーナーには、仕掛けの見える神戸人形やロシア、ドイツ、アメリカ合衆国など、世界各地の仕掛け玩具を設置しています。玩具に込められた知恵と工夫を楽しみながら学べる展覧会です。
<体験コーナーに設置している玩具>
*神戸人形……酒飲みと西瓜喰い(ブラックボックス)キヨシマヤ製
酒飲みと西瓜喰い(仕掛けを見せる引き出しボックス)2組
藤尾秀久製
淡路人形・ガブ(仕掛けを見せる頭)
淡路人形・タンゼン(仕掛けを見せる頭)
*世界のからくり玩具……ついばむ鶏(ロシア)・熊の玩具(ロシア)・
のぼり人形(USA)・ダンシングマン(USA)・拍手喝采(中国)・
らぶらぶドッグ(中国)・らぶらぶキャッっと(中国)・
ボール運び人形(中国)・アヒル飼い(中国)・ピロピロ(日本)・
パクパク(日本)・クールクール(日本)・鈴車(スウェーデン)・
たまご車(スウェーデン)・ムカデ車(フィンランド)・
ワニ車(ドイツ)・ついばむ鳥(ドイツ)ほか。
<会期中の催事>
●展示解説会
日時=会期中の土・日曜日 11:00~あるいは14:00~ 45分程度
会場=1号館企画展示室
解説=当館学芸員・尾崎織女/魚住知美
●江戸のからくり玩具作り
①軽業人形
・日時=7月27日(木) 10:00~12:00
※材料費=500円
②鯉の滝登り
・日時=8月8日(火) 10:00~12:00
※材料費=300円
③ご来迎
・日時=8月24日(木) 10:00~12:00
※材料費=300円
いずれも会場は6号館2階の講座室/講師は当館館長・井上重義
④松風ごま、かくれ屏風など
・日時=7月22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)
8月5日(土)・6日(日)・12日(土)・13日(日)・14日(月)・
8月19日(土)・20日(日)・26日(土)・27日(日)・
9月2日(土)・3日(日)
※各日 11:00~/14:30~
・会場=6号館2階講座室
・講師=当館館長&学芸員&学生スタッフ
●からくり人形講演会
①「神戸人形の今昔」
・日時=7月30日(日) 13:30~15:00
・会場=6号館2階講座室
・講師=永田清氏(神戸人形研究家)
②「淡路人形にみるからくり」
・日時=8月20日(日) 13:30~15:00
・会場=6号館2階講座室
・講師=藤野良一氏(淡路人形研究家)
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前の企画展 → 春の企画展*2000「鳥の造形ーおもちゃのバードウォッチング!
同時開催のテーマ展 → 夏のテーマ展*2000「七夕人形」
次の企画展 → 秋の企画展*2000「世界の仮面と祭りのおもちゃ」